【1946話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1946.容赦? ナニソレ、美味いの?
「ペ、ペトラ? もう、その位で良いんじゃ――――」
『ペトラっ! このカメ、南の池の爺は口の匂いも酷いのだっ! それは何故なのだろう? そっちも教えてやって欲しいのだっ!』
「お、おい、ギレスラっ!」
クレバーで賢いペトラは何故か瞑目と頷きと共に言葉を続ける。
『そうね…… 今回の悪臭事案、名付けてハタンガの副王、長老キトラは何故これ程臭いのか? 問題の本質、いや、どうしてここまで放っておいてしまったのか? 事件の原因はソコ、ズバリっ、コイツ口も臭いじゃんっ! こっち見んなよたまんねーぜっ! 何食ってんだよお前ぇっ? に直結している、アタシはそう分析しているのよ!』
『あ、悪臭? それに事件に事案? 問題…… なのか……』
『まだ現実が直視出来ていないのか…… 構わん、聞かせてやるのだペトラ!』
『アイアイサー!』(ビッシッ!)
「はぁ~」
何故か元気が無い長老キトラ、ペトラは次兄ギレスラの指示に従い仕上げに掛る、本当に真実とは残酷だな……
『長老? さっきギレスラお兄ちゃんが言ってたでしょう? 若しかしてアンタ重度の歯槽膿漏なんじゃないかって!』
『え、ああ確かに…… えっと、そうなのかな?』
巨大な前鰭で口を押さえながら答えた長老、それなりに気にはしている様だが、ペトラは露骨に顔を背けながら返す、結構惨い。
『アンタねぇ、そもそも歯槽骨無いじゃないっ! 歯だって無いしっ、その嘴に付いたギザギザで噛み切ってるんでしょっ?』
なるほど、カメには無かったよな、歯。
長老の顔はパァっと明るさを増す、しかし前鰭はしっかりと口の前に置かれている、慎重派だ。
『じゃ、じゃあ歯槽膿漏では無いんじゃなっ?』
歯槽は歯を受ける骨、言わば歯の根の鞘、いや柄に当たる骨である。
人間はじめ哺乳類には欠かせない部位ではあるが爬虫類や両生類、それに彼等の派生種に当たる鳥類には見当たらない、何故なら嘴で千切った後は丸呑みだからである。
カメも当然同じ、歯槽は無い、だから膿んで漏れる事も無いのだ、良かった、か?
少し嬉しそうな長老の笑顔は、続けられたペトラの説明で元より曇る事となる。
曰く、
『そうね、歯の付け根、歯槽は膿んではいないわよね、そもそも無いし…… ではどこからその腐敗臭が臭っているのか? 問題はソコよ!』
『え』
『歯では無いのだとしたらその臭気は内臓、つまり消化器系から発せられていると思われるのよ』
『え、え? えぇっ?』
『無論、消化器官は口だけじゃない、胃腸はじめ肛門まで続く様々な臓器がそこに含まれている、更に……』
『え、まだ、あるのか?』
『長老、アンタ達カメってお尻でも呼吸していたわよね?』
『ま、まあの』
『つまり出口であり入り口、双方向システムである事から消化器官は軒並み臭っている、そう類推出来てしまうのよね』
『え、えーっ!』
『そもそも自分の匂いに気が付かない時点でね、鼻や肺、呼吸器系もやられていると考えられる』
『………………』
「ペトラ、それってどーゆー?」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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