【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1681.傾聴
聞いてくれると言われたハスドルバルはこのダキアの村落に降り立ってからの一部始終を包み隠さずに話した。
余計な感情や修飾は一切せずに、見たまま起こったままの事実だけを自分の神と父親に語ったのである。
しっかり一言すら聞き逃すまいとするかの様に、瞑目したまま時折静かな首肯を続けながら聞き入っているバアルの姿は、話しているハスドルバルにそこはかと無い安心感と他に望むべくも無い安息感をも与える事となった。
それらが働いた結果、話しが終盤に差し掛かった時、語り口は事実の羅列ではなく彼の心に芽生えた感慨、個人的な感情や期待まで含まれた、彼個人の真実へと変化していたのである。
「――――そして俺は己の目を疑ったのです! なんと彼女、イーチの娘イザベラの号令にそれまで這い蹲って苦悶の声を上げていた者共までもが整列して構えを取ったのです! 信じられますか我が君っ? 恐怖でも利己でも、ましてや洗脳やチャーム等でもありませんよ! ダキアだからなのです! 彼等と彼等の先祖が理由も必要性も判らずに信じ続けて来た盲目的なルキフェル様への信奉…… それが全てを上書きしたのですよっ? 主家への反乱、更に自身をクリーチャーや不帰の死人と化されて尚、彼等は我が配下の憑依に抗って見せたのです! 一人残さずっ! これは物事の理を超越した事実ですよねっ! ねっ? ねえぇっ!」
熱く語り問い掛ける部下の声にもバアルは一定のリズムで頷いているだけである。
黙って横に控えていたハミルカルが小さく耳打ちをする。
「我が君、話が一旦纏まったみたいですよ? 何かお答え頂かないとっ!」(コソッ)
「zzz…… んがっ! ああ、そうなんだ! で、どんな話だったのさ」
「お声を小さくお平らに…… えっと、ダキア凄いよビックリした、的な話でございます」(コソッ)
「あーそうなんだぁ! うん、ダキアは凄いさっ! ビックリしたでしょハスドルバル!」
「ははっ、仰せの通りです、我が君バアル様っ!」
「ほっ」
良かった、側近のハミルカルに少し手助けして貰ったみたいだが無事話は繋がっている、寝ているかと疑った自分が恥ずかしいよ。
そりゃそうだ、話せ! 聞く! そう言って聞く前に寝る馬鹿は人間とか悪魔云々以前に最低だからな!
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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