【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1269.宇宙と身の回り
大したものと言えばレイブの図々しさに負けていないのがギレスラの呟きの内容もそうだろう。
非常に歪でゆるっとした中途半端さは否めないが、紛いなりにも宇宙と存在についてそれなりの認識に辿り着いているらしい事が窺える。
例えるならネットで散見した陰謀論や都市伝説を土台にして構築されたなんちゃって宇宙論や哲学みたいな感じである。
こう言った類の結論は、多くの場合甚だ幼稚で子供染みた内容に過ぎないのだが、それはあくまでも情報過多の時代に於いて為し得る勘違いである。
専門性が伴わない人間に対して、それっぽい証拠を列挙する事で、自分独自の推論をさも真実だと考えさせてしまう、いわば詐欺の手法だからである。
一方的で出所不明、不確かな情報を提示された時、門外漢であればあるほどその主張を信じてしまうからだ。
発生初期で未熟な個体、所謂子供であればその傾向は更に著しい物となる。
俗に言う中二病の一因と表現すればお分かり頂けるだろうか?
ギレスラの呟きもそれらと同種の物だ。
内容の正誤は問題ではない、と言うか非常にバランスを欠いた極論、つまり間違いだからだ。
不思議なのは一体どうやってその結論に辿り着いたかである。
前述の通りネットや出版物などで多様な情報が手に入れられ易いのであれば兎も角、この時代には皆無、天気予報も流行発信も遠方の紛争も、何だったら隣の里の慶弔なんかも知らないままで人生を終えることが普通の事なのだ。
歪とは言え答えを導き出す為には素地となる知識が必要なのだが……
素粒子? 物質? まさか自分で産み出した訳でも無かろうに、摩訶不思議である。
そんな怪しさ満点のギレスラに対してレイブの口調はいつも通りに復調している。
「おいギレスラ、しっかりしろよ! ぺトラが恐がってるじゃないか!」
『あ、アタシは別に――――』
『む?』
悪手中の悪手だ……
おかしくなっている存在を諭す場合に他者を引き合いに出すのは絶対やってはいけないっ!
そんな事は知ったこっちゃないのだろう、レイブの言葉は続く。
「む? じゃねーよ! 宇宙だかウチューンだかより自分の周りを良く見ろつってんだよ! あのな、下らない事を考えるなら独りきりの時に思う存分やればぁ? お暇な時にお好きなだけぇ~♪ んでも今はな、んな事に思いを馳せてる場合じゃないだろっ! アーティファクトの謎解きが、あの時限性殺傷効果のコインに関係するかもしれないんだぞっ? まず、やる事やってからだろうがっ! なーにがムムムッ、だよ! 今は急がしいんだよっ! 全く、独りで頑張ってるぺトラが可哀想だろうがっ!」
『ぐ、グゥ』
『あ、アタシは別に――――』
「お前はちょっと黙っていろ、俺がお前の代わりに全部言ってやるからな、任せとけ!」
『えぇ……』
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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