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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1148.先生


 レイブは抜かり無く素早い観察を行う。

 不思議な登場をした人物はペトラが言う通りヒト種に見える。
 年の頃はレイブと同じ位、二十歳前後、所謂いわゆる青年に見える男型である。
 背丈はこの時代でも大男に属するレイブよりわずかながら低く、代わりと言う訳ではないが肩幅や胸板の逞しさは少しだけ頑強がんきょうに見えた。

 四肢の逞しさに置いては評価が分かれる所であろう、つまり互いに遜色はない。
 腹部や腰部の引き締まり方も同様で、しなやかで有りながら猛獣の如き俊敏性を秘めている事が容易に見て取れた。

 転じて容姿は美麗、そのものである。
 レイブの亜麻掛かった茶色の髪とは一線を画する、極めて銀に近いプラチナブロンドの櫛笥くしげは癖も無く、また風になびく事すらなく肩近くまで真っ直ぐに垂れ下がっていた。

 白く整った鼻筋に切れ長の目には長いまつげが寄り添い、色黒で快活な印象を持つレイブとは又、違った力強さを秘めた表情を際立たせている。
 私、観察者の個人的な印象ではあるが、動と静、烈火と氷河、いや滔滔とうとうと水を湛える大河だろうか? どこか泰然自若たいぜんじじゃくとした落ち着きすら感じてしまう。

 薄く引き締まった唇が静かに開く。

「ホブゴブリンは私の徒弟とていなんだ、それで無くとも彼等には大切な仕事があってね…… 彼等を解放して欲しいんだが、良いかな?」

 むうぅ、声まで良い…… 美しく整った姿から表に出る物は総じて好ましい、そう言う事なのだろうか?
 好みは分かれるだろうが、我等がレイブも堂々とした声音で答える、ガラガラのダミ声で多少おらついていたが前後の事情からかんがみれば、まあ、許せるか、な?

「ほう、このレンジャア馬鹿が貴様の徒弟、へへへ! それを聞きゃぁテメェのレベルも知れるってもんだぜぇ、なあ弟妹きょうでぇ、こいつ俺らに聞いてきたぜ? 良いかだってよ? どうするかなぁ、なぁ?」

 ギレスラは瞬で返す。

『レイブっ! 油断するなっ! 手練てだれっぽいぞソイツっ!』

 ペトラも必死だ。

『うん! それにソイツって紛う事無く動物界、脊椎動物門、哺乳こう、霊長目、ヒト科、ヒト属、ヒト種よっ! 気を付けてっ!』

「へえ……」

 答えながらもレイブは油断無く体勢を整え、岩から生まれ出てきた様に見える不思議なヒト種に対して警戒を怠っていない、流石だ。

 対して岩から生まれた岩太郎的な男前は、姿勢も表情も自然体なままで美麗な声を発する。

「彼等、ホブゴブリンは本来親切な労働者に過ぎないんだよ、戦いは私がここの所十数年の間に教えたに過ぎないんだ、ほんの手慰みにね…… でも君は誇って良い、彼らがレンジャーとしか言わない、それは君達を強者だと心底から認めた、そう言う事なんだからね」

「おお、認めて貰っていたとはねぇ、んで、どうすれば良いんだ? ありがとう、そう言って喜べば良いのか?」

 レイブの挑発的な声に答える声は相変わらず落ち着き払った美声である。

「そうだね、そうすれば君らの命を助けてあげよう、彼等やパイロに詫びた後、ここから立ち去る事を許してあげるよ」

「許す? だと」

「ああ、そうだよ、許すって言葉が気に入らないなら言い換えてあげよう! 見逃してやるからさっさと逃げ出せよニンゲン、俺たちには大切な仕事があるんだ」

 この言葉を聞いた途端、レイブの体の周囲から、濃密な闘気が紫色を帯びて立ち上がる。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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