【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1210.不完全な契約
掛ける言葉が見つけられずに黙り込んだレイブに代わって言葉を返したのはギレスラである。
『決めた事の内容は? 具体的にはどう決めたんだ?』
「ん? 簡単なことさ、『生きている限りここでゴブリン達の世話をし続ける』それだけだよ、無論、鬼神を継いだ私もその約束を破るつもりはない」
『生きてる限りここで…… ふむ、その約束にはここ『小人の隠し穴』がなくならない、その前提ありきだと思うが? 太師匠はどう思う?』
「ぜ、前提? そ、それは――――」
不意の質問に僅かながら言い澱んだ所で今度はペトラが被せ気味に発言だ。
『今の躊躇がなにより雄弁な答えになってるんじゃないのっ! 新たに施設を作るときに崩壊や撤退を想定していたとは考え難い、それは普通の事だし全く不自然な事では無いものっ!』
グフトマは思わずと言った感じで反射的な言葉で返す。
「ん? お、おうっ、まあ、そうだろうな」
『グガッ、やはりそうか』
『なるほどだわね』
ギレスラとペトラの声に続けたのはレイブだったのである。
「ここで問題になるべきはね、当初想定していなかったであろうこの場所の崩壊に於いて、指示者たるコユキさん、若しくは善悪さんが決めたと言われる行動指針が本当に的を射ていたかどうか、そこだと思うんだけど…… どうかな?」
「え? えっと…… ま、的? そうなのか?」
『確かにそこねっ! アタシ的には異議無しだわっ!』
『ガアァッ! それなっ! 同じくっ! 我にも異議は無いぞっ、レイブッ!』
「えっ? じ、じゃあ私も、異議無しぃ? かなぁ?」
「多数の支持をありがとうっ! 心からの感謝をっ! ……さて、では肝心の部分に踏み込もうではないかっ! 想定外の出来事が勃発してしまった現在において、過去の指導者との約束、所謂契約は完全足るのだろうか? どうだろう? それってパーフェクトリバティ?」
『いいえっ! 違うと思うわっ! ノットよノットっ! ノットパーフェクトリバティ!』
『うむ、確かにノットパーフェクトリバティだな、そう言わざるを得ないっ!』
「太師匠は?」
「あ、じゃあノットで」
「よろしい」
イエスマン二人の協力を得たことで、かなり強引にグフトマからノットパーフェクトリバティを引き出したレイブの舌は、更に滑らかさを増す。
「さて、古代に契約され代々守られてきた約束、正確には来たるべき時に守られるべきだと信じ続けられてきた約束は遵守されるべきかどうか、この賛否は今に至ってはさして重要では無いだろう、違うかな?」
『違わないぞ』
『ええ、その通り』
「そうなのか?」
「無論ですよ太師匠、だって想定外だし、ノット?」
「あ、ノットパーフェクトリバティ」
つい先程覚えたばかりの言葉を反射的に返したグフトマに、満足そうな表情を見せながらレイブの言葉は続く。
「その通りです、コユキさんや善悪さんの真意を知るためには、彼等自身に今の現状を実際に見せて判断し直して貰うしかない訳です、が、そんな事は不可能でしょう」
「まあ、無理だよね、何千年も経っている訳だし」
「だから想像するしかない訳です、彼等、コユキさんと善悪さんがもしも、今この場に居て崩壊する『小人の隠し穴』を目にしていたら…… どんな指示をするのだろうか、と」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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