【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1325.継ぎし者
やがて、ナッキ王とその重臣たちもこの地を去ったと言う。
それ以来、数代の魔獣を王と戴き、千年ちょっと前からはアリス様が女王をされているらしい。
王国の名は『メダカの王国』と言うそうだが、最近は風聞を気にしてかハタンガで統一されているそうだ、私は良い名前だと思うがちょっと可愛過ぎる響きが気になるのだろうか?
まあ、それ以来ハタンガの魔獣やニンゲンは、生き残る為とナッキ王との約束を守る為、必死にスキルの習熟に努力を重ねていると言う訳だ。
無論、私も飽くなき努力を繰り返した。
来る日も来る日も、毎日毎日、怒鳴られ貶されしごかれ続けた。
最初にアリス様にドンと来いと発言した事は憶えている、しかし、ザクッだとかゴキッだとがボキボキッまで来いとは言っていない筈だ、ましてやブシャーとかドチャーとかボコボコなんて……
グフン、歴史以外にも様々な事を聞いたが、中でも驚いたのはヘンテコパーティーの身の上についてだ。
まずズィナミ・ヴァーズだが孤児らしい。
同じ位の女の子シエルと二人でモンスターと戦っている所を魔術師グフトマに助けられ、それ以来弟子になったと聞いたがそれが大体二百年位前だそうだ。
恐らくニンゲンではないな、それが私の正直な感想だった。
ニンゲンの中では長命で知られる魔術師とは言え、あまりにも桁違いな寿命がその論拠だ。
師匠のカゲトに訊ねた所、返された答えの内容は、秘訣は体内を巡る魔力にある、とのザックリ説明だけであった。
当時の私には何の事やら訳が判らなかったが一番年長な筈のグフトマが、プラチナブロンドの長髪が嫌味に見えるほどの麗しい青年に見える事は間違いではない。
信じるしかなかった。
とすれば、小娘にしか見えないズィナミは私と同年代と言う事になる訳で…… このアンチエイジングぶりには心底驚かされたものだ。
まあ、四歳児で通用している私の実年齢は二百歳越えだ、負けてはいないと思う。
次に驚かされたのは獅子壁ことキャス・パリーグだが、彼女もまた孤児だったと聞いた。
育ての親、所謂父壁のヴノは私と同じ豚猪である。
実の所、一番驚いたのはこの事実であった。
捕食者の幼体を育てる事は我々獲物界隈ではタブーの一つである。
通常であれば、肉食獣の子供を単独で確保した場合、慈しんで保護することは考えられない。
威嚇して追い払うのが定番の反応で、時には玩具のように弄くり回してズタボロにし捲り、動かなくなった所を笑顔でキャッチボールに興じるまである。
長じた後の復讐を避ける為にも、とどめは大事なのである。
種として弱者である我々は、残酷にも見える処刑の権利を有しているのだ、可哀想な存在なのだから当然の事だろう。
だと言うのに、その特権を投げ捨てて種のカタキを引き取る馬鹿はどんな馬鹿かと思った物だが、実際に目にした父壁は、想像を遥かに超えた馬鹿だった。
有り得ないだろ、そう思う位、馬鹿でかかったのだ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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