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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1639.ゲタイ


 黒海やカスピ海、後にドナウ川と呼ばれるイストロス川の水辺でそれなりに楽しく暮らしていたゲタイはペルシャのダレイオスに強要されてスキタイとの戦に駆りだされた。

 結果、スキタイの一大勢力圏の目の前、つまり最前線に駐留させられた彼等は、そこでも以前通り素朴で楽しい時間を百年以上過ごす事となった。
 皆さん風に言えばドナウ川をちょっと遡った辺りだ。

 平和な日々は突然の侵略によってぶっ壊される、アレクサンドロス三世の北伐である、つまりスカンダ、そう他でもない私のせがれのせいだ。

 まあ細かな事に頓着しないゲタイ×スキタイの特性だろう、カーミラの先祖は連戦連勝だったスカンダから見事逃げ果せる事に成功したそうだ。
 ご近所のトラキア人やトリバッロイ人が滅茶苦茶にやられた事を考えれば逃げただけでも大した物である、スカンダは結構凄いんだから。

 逃げた彼等はドナウ川の中流域辺りまで遡上した。
 常に川沿いなのは馬や自分達用の飲み水を欠かさない為である、素朴な性質が窺い知れる。

 ようやく落ち着いた頃、今度はトラキアの王、リュシマコスが彼等を襲った。
 これは軽く迎え討ち、大勝した上、敵の王、リュシマコスを捕らえる程のボロ勝ちとなる。
 だが温厚で平和主義な彼等は捕らえた王に和の尊さ素晴らしさを懇々と諭して、友好の誓いまでして釈放したりしている。

 当時としては中々先進な考え方だとは思うが、なにぶん周囲は手にしたばかりの武器や防具、覚えたばかりの戦術を試したいばかりの野蛮人達である。
 彼等の理想は儚くも踏みにじられた。
 四方八方、文字通り八方向から他民族(一部はガッツリ親類)から攻め立てられ続けてしまったのである。

 お聞き頂けただろうか? 奇しくもほぼ同時に八方向から侵略されてしまったのである。
 つまり、彼等お得意の脱出、三十六計逃げるに如かずってヤツが今回ばかりは使えない状況だったのだ、大ピーンチ!

 って事で、温厚で柔和な彼等も護りの備えを急ぐ事となった、皆さん良くご存知の専守防衛ってヤツである。
 元来真面目で働き者な彼等は、力を合わせあっと言う間に八方向の防衛線を築き上げた、六つの砦と天然の要害に拠った前線基地である。

 因みにだが彼等は飲酒をしないし、上位の者から与えられた命令には命懸けで取り組むのだ。
 何で? そう聞かれてもそうだから、としか説明出来ない。
 生れ落ちた時からそんな価値観を当たり前にして過ごして来たせいだからじゃ無いのだろうか?

 日本人が屋内で靴を脱いだり、アメリカ人がカウチソファーでピザを頬張る、イタリア人男性が女性を無駄に褒める事やロシア人が蜂蜜を巣ごと食べる事やブラジリアンが気孔砲をぶっ放そうと試みる事と同じなのでは無かろうか? 多分だが……



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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