【1974話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1974.新たな依り代
特段背負う物が無いレオニードは聞く。
『レイブ殿が背負う荷物、礎って何なんだい?』
あっ……
『真名だ』
『真名っすか?』
『うむ』
おい……
『真名、真実の名前、か…… それはまた余の称号と酷似しているでは無いか』
『そう言えばそうなのだ』
………………
『一体、なんて名前なんだい? レイブ殿の礎って?』
『むっ? レイブの真名か? それは…… くっ!』
ギレスラは頭を両の翼で覆って苦しそうにしている。
恐らくだが、本能的にそれを口にしてはいけない、そんなストッパーが掛かったのだろう、本能の種類は言うまでもなく生存本能だ、良かった。
『ジージジジー♪』
『あ、テューポーンさんっすよ』
『フォフォフォ、儂もおるぞい♪』
『ん? 誰っすか?』
先程のギレスラの叫びに応えたのか、バッタのテューポーンが草叢から飛び出し、その後ろからやけに大きな虫、甲虫が続いて現れ親し気な声を発した。
見覚えの無い虫を覗き込む面々の内から、グラムランドが訝しげな顔で問い掛ける。
『若しかして副王様、か?』
『無論、儂じゃぞい、どうじゃ? ええじゃろこの依り代♪』
細長く尖った頭部にクリーム色と黒褐色の鮮やかな縦縞模様は良く見れば無数の点で描かれている…… 一見すればウズラの卵に酷似した外殻に似た羽が特徴的な昆虫、そう、ツヤツヤして見えるが甲虫ではなく羽虫、ややデカいがこれは羽虫の仲間である。
もっとハッキリ言えば、こいつはカメムシ、極東ロシアや千島列島に棲息する、その名も芳しいウズラカメムシであった。
どうやらコレがハタンガの副王にして黒竜アペプ、南の池の長老キトラが選んだ依り代、いや、キトラ自身の現在の姿らしい。
カメをやめてカメムシになった長老に竜王の里のメンバーは口々に告げる、曰く、
『ほう、良いではないかぁ! 前よりシャープなボディラインが如何にも、出来る奴、って感じ、かな?』
『うん、悪く無いですね…… ゴマダラ模様も美しいですし、何より、臭くないのが良いですよねぇ』
『っすね♪ 良く判らないっすけど皆が良いんなら良かったっす♪』
何でもかんでもイエスイエス容易に追従する奴等とギレスラは大違い、舌鋒鋭く核心をつくのだ。
『パッパ! レイブが日本に向かってしまったのだぁっ!』
なるほど、それ所では無いらしい、そりゃそうか。
虫に身をやつした長老キトラはすぐさま返す、頼り甲斐がありそうだ、良かった。
『おっ、行ってくれたかぁー、んじゃ儂らも行ってみっか? どう、行きたいぃ?』
『無論なのだ! 連れて行ってくれぃ!』
『では余も行こう』
『じゃ私も』
『皆が行くならっ!』
「「じゃあ俺等も」」
『ジージジジッ!』
皆で行くらしい。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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