【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1245.痛み分け?
四者、いいや、本人達がニンゲンだと言うのならば四人かな? その内で一番神経質でクレバーっぽい見た目のヘビ顔が遠慮がちに口にする。
「仲直り? 自体に否は無い、無いのだが、しかし、俺を含めこちらには軽くない怪我人が…… それに苦労して仕留めて、解体まで済ませた獲物だって――」
「うおっ、肋骨が又シクシク痛んできやがったかーっ! 痛てててぇーっ! ミロンとブロルが強敵だったからなー、ほれ! 俺もうズタボロだよー、なははー♪」
ん? その肋骨はペトラの突進でやられたんじゃなかったか? むー?
「え! 俺達との戦いで怪我を? 一方的にやられてしまったと思っていたがぁ…… そうかぁ……」
「んな訳無いだろ! 痛ててててぇー♪ 互角レベルの戦いだったんだからさっ! 互いに無事で済む訳無いじゃないかぁー!」
棒読みのセリフが何かの意図を感じさせて仕方が無いが、ブロルは気にならないらしく嬉しそうな表情で言葉を返す。
「そ、そうか! まあ五分なら良いか! 負けじゃないなら充分かな? な? ミロン?」
「ま、まあな、でも肉は? もう喰っちまったのか?」
虎の獣人ミロンの問いに答えるレイブは笑顔なだけでなくどこかおどけた素振りである。
「安心しろよ、魚はあっちに手付かずであるぜ、獣の方は森の中でどこかに消えちまったんだよ! 若しかして生きてたのかな? センザンコウだっけか……」
解体され切り分けられたブロック状態で生きていれば、それはもう獣人所ではない希少な超越種では?
『ジジジジッ!』
お、レイブ達一行で唯一の良心保持者、テューポーンの登場だ。
今までどこで何をしていたのか判らないが、森の中から飛び出して来るなり、レイブの顔先で激しく動き回っているではないか。
「んー? 何を伝えたいのか一向に判らん……」
レイブが手を顎にして首を捻っていると茂みの中から聞き覚えの無い声が響いてくる。
「み、ミロンさんブロルさん! そのバッタが飛んできた方に肉が! 肉が有りましたよぉ!」
「何っ?」
声の主はそこらに隠れたままだった獣人、所謂その他大勢な脇役の一匹だったようだ。
「ほぅ、犬タイプだが耳と尻尾、それと手足の先だけに特徴が…… このパターンだとほぼニンゲンなんだなぁ、興味深い」
見当違いの感想を口にしたレイブとは違い、ちゃんとしたリーダーらしいミロンとブロルは部下の犬タイプの指し示す場所まで足を運び、二人揃って両手に肉、恐らくセンザンコウを抱えて戻ってきた。
色々な物に衝突させられ、多少ミンチが割合的に増えてはいたが、元のサイズと比しても大体六割方は有るかに見える。
レイブは自分の頭にとまったテューポーンに声を掛ける。
「テューポーンさんが捕まえてきてくれたんだな、流石だぜ」
いや、捕まえたと言うよりは集めてきたんだろう……
『百頭の魔』は細かい事は気にしない大物ぶりを発揮していつも通りの無表情のままだ。
この、そこはかとない貫禄を湛えた緑の虫に、先程命を救われたブロルが呟きを洩らす。
「なあアンタ、このバッタもアンタ等の仲間なのか? 虫とは思えん強さの様だが?」
思いも掛けぬ肉の出現にあちらこちらから姿を顕した、様々な獣人に目を奪われながら答えるレイブ。
「ああ、仲間ってゆーか一味だな、うおっ牛や馬までいるのかよ! 今でこそバッタ風だけど元々は魔王、神だったから滅茶苦茶強いんだよ、えっ、あれってキリン、か? おいおい、どうなってんだよ!」
ニンゲンだって言ってるんだから少しは遠慮しないものかね?
ここまで大人しくしていた獣人達もそろそろ切れたりするんじゃないだろうか?
そんな私の心配は杞憂だったらしく、レイブの言葉を聞いたブロルを中心に想像の真逆の反応を見せたのである。
具体的にはその場に跪き、神妙な面持ちで声を揃えたのである。
曰く、
「神様の御一行とは知らず、数々の非礼、大変ご無礼致しましたー! どうか、どうか、何卒お許し下さーい!」
「「「「「「お許しをー!」」」」」」
「ん?」
『ジジ?』
仲直り所か崇拝されそうな勢いに、流石のスリーマンセルとバッタも面食らってしまうのであった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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