【2154話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2154.主観
『ハンペラの走りはそれはもう見事だったっすよ! まんま猴の如くって奴っす! でも後少し、って所で茶色いのがすぐ後ろまで追い付いて来やがったんすよ! それで――――』
『やられたのかっ?』
『いえ、里長さん達が助けに向かったんすよ』
なるほど、あんなんでも仲間だからな、見殺しとか寝覚めに響くだろうし。
『それで、どうなったの?』
『皆、次々吹っ飛ばされて終りっす』
『何っ? クルン=ウラフの獣人が全員、か?』
『全員っす』
『む、むう……』
「全員って女、子供もって事か?」
「そうだよ! うちの女房や子供達も、か?」
こう見えてミロンとブロルは家族持ちだ、心配になるのは当然だろう。
馬鹿は答える。
『あー、年寄りや女と子供、怪我人とか戦えそうもない連中はダソス・ダロスの兄貴が守ってたからぁ…… 多分大丈夫なんじゃねーかなぁ? きっと無事なんじゃね? 知らんけど』
こいつは本当に馬鹿だな……
関わって日の浅いラマスはざっくり無視する。
「で? あんたは何で助かったの?」
『ああ…… 大事な所だから今から言おうと思っていたんすよ……』
っぽい台詞に息を飲む一同の中で、何気に家族や自分の気持ちを大事じゃないとはっきり言われたミロブロは横目での睨みを強める、大体、死ねば良いのに…… 位の強さである。
馬鹿は気が付く事も出来ずに偉そうに語る、こんな具合だ。
獣人共を吹っ飛ばした茶色の閃光は非戦闘員を守るダソス・ダロス目掛けて真っ直ぐに向かって来たらしい。
これにはダソス・ダロスの上でポーっとしていたガトとパダンパも大層驚いてしまったそうだ。
『ってかアンタ、ダダ坊に乗っていたの?』
『ん? 無論っすが、それが何か?』
『はぁ~、まあ良いわ、続けて頂戴』
『え? あーまあ良いっすけどぉ……』
お前は良くても周囲はどうかな? ミロブロの歯軋りが響く中、パダンパは続ける。
『何かダソス・ダロスの兄貴は様子がおかしかったっすよ! 茶色の奴にあっちこっちやられてる間中何の抵抗もしないでジーっとしてばっかりだったんす、おかしいっすよね?』
おかしいのはコイツ自身だが、まあ良い、観察を続けよう。
その後、主に顔面中心にやられたダソス・ダロスは茶色の光に叫び続けていたそうだ。
話を聞いてくれ! 誤解なんじゃないのかっ? ペジオっ! 頼む、頼む、よ…… と。
『何なんすかね? やっぱちょっとおかしかったっす』
ペトラとギレスラ、ついでにバッタのテューポーンも思っていた、こいつダソス・ダロスの話、旅の間に何度も一緒に聞いてた筈だよな? 一番行動を共にしてるし? 健忘症なのかな? と……
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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