【1930話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1930.採算
尻を見せ、先んじてグラムランドの『魅了』をもぶん殴って無効化していたレイブは改めて一同を見回しながら言葉を発する。
「で? アレがアレしたんなら? これからどーすれば良いんだ?」
うん、アレの依り代だからな、こんなモンだ。
立場は同じだがこちらは後天的、幾分マシなギレスラが無視して話し出す、賢明だろう。
『竜王グラムランドよ、玉砕覚悟のハタンガ特攻を取り止めるのだ、チャームから解き放たれた今であれば聞く耳はあろう』
『む…… しかし……』
こんなに判り切った道理を説かれたにも関わらず、イマイチな反応を見せる主、かつ幼馴染にレオニードが問い質す。
『ルッカ、いやグラムランド様、止めましょうよ、んな事して全滅とかしたら馬鹿みたいじゃないですか? ね?』
『うむ、だがな……』
まだ煮え切らない感じの竜王、パダンパも釈然としない顔で口を出す。
『考えるまでも無いっすよね? ヒョータイコーカでしたっけ? 合わ無いっすよ?』
ギレスラがハテナを面に質問だ。
『パダンパ、何なのだ、そのヒョータ?』
『言わないっすか? コスパとかって奴っすよ』
『ああ、なるほど、なのだ』
流す事にしたらしい、キリが無くなるからな、それで良かろう。
竜王は真面目なままでレオニードの方だけを見つめながら返す、つくづく賢明な王だ。
『全てを利害得失だけで判断する訳では無いだろう? 譲れぬ物とてある…… そしてそんな事は大抵計算に合わないのが常だ』
ギレスラはまともそうなこっちに参加する。
『不条理なのだ、被害が見込まれ得る物が無い、そんな無謀は止めれば良いのだ』
弟の発言を嗜めるアレの依り代、良く言えた物だ、逆に感心してしまう。
「いや、単純な計算で理解出来る事ばかりじゃ無い、良く言うじゃんか、東洋の巨人、人間山脈に蹴り勝つ、だろ?」
なんだその判り難いことわざは……
あれか? 十六文で十八文より威力がある的な意味かな? それとも打ち合わせ済みって方か? 判らん……
ギレスラは納得していないらしくあからさまに怪訝な表情で返す。
『そんなの只の昔話し、迷信の類なのだ…… 基本、サイズ目方共に大きな相手に勝つのは至難の業、ババアンドレに勝てず、とも言うではないか?』
おお、こっちは判り易さがグッとアップしているじゃないか!
しかし結構勝ってはいたんだよな…… あれか? やっぱり打ち合わせ済みのお芝居、つまりプロレスって意味なのか? 登場人物もそっち系だしな。
レイブも言い返す。
「馬鹿! ならテューポーンさんはどーなんだよ? ほれ、サップ、ボビーに勝つ、されどミルコに敵わず、とかも聞いた事あるだろ?」
『む、確かに…… 一理あるのだ』
ギレスラは納得した。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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