【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1511.そっちの馬鹿
「全く、何やってるのよレイブ! この二匹相手に本気になるなんてぇ、無駄よ? それ」
「お、ガトか」
朝っぱらからの大騒ぎが無為で虚しい終結を迎えようとした時、狩猟部隊との打ち合わせを終えたのだろうガトが歩き寄りながら声を掛けてくる。
『ガト♪』
『ガト様、えへへ』
手下の魔獣達が嬉しさ満面で迎えている。
ガトは二匹を構う事無くレイブ相手の会話を続ける。
「何か考えての事なんだろうけどくたびれ損よ? 止めときなさい」
「おいおい、随分な言い方じゃないかよ」
「仕方無いのよ、だって馬鹿なんだもん」
『『…………』』
主の辛辣な言葉を受け、再び俯くダソス・ダロスとキャス・パダンパ。
面と向かっての言い様にぺトラとギレスラは苦笑いと共に洩らす。
『ちょっとガトちゃん、目の前でそれは……』
「ん? 何?」
『確かに賢くは無いだろうが…… 意外に辛口なのだな……』
「え? 辛口? ああっ、違うのよ! アタシが言っている馬鹿ってのはね」
続けてガトが説明したのは馬鹿の意味、所謂依り代と本体の悪魔がせめぎあってちっとおかしくなる現象についてであった。
観察にお付き合い頂いているオーディエンスの方々にはもうお馴染みの例のヤツだ。
二つの性格と記憶、全く違う意識が一つの肉体に共存し、やがて同一の存在として融合しようとする為の準備期間なのだ、考えるまでもなく混乱と不調和に支配されてまともな判断がつかなくなる事が想像頂けるだろう。
その事態を避けるために、これまで登場した上位の悪魔達は、自身と親和性の高い個体やかつての依り代の遺体やその一部、若しくは命無き人形や形代を寄る辺として顕現していた筈である。
遥か昔、スプラタ・マンユの依り代に善悪和尚が準備したフィギュアですら、原料の有機樹脂に含まれた太古の記憶の残滓によって少しおかしい状態であったのだ、そのデリケートさがご理解頂けるだろう。
「つまりね、今のダソス・ダロスとパダンパは普通じゃ無い、馬鹿の状態なのよ? この段階で何を言ったって殆ど無意味になっちゃうって事、仕方無い事なのよ」
ガトの言葉には蔑みも呆れも含まれていない、只事実を伝えているだけだと判断したレイブは質問を重ねる。
「えっと、じゃあミロンとブロルの二人も?」
「そうね」
即答したガトは眉間に皺を寄せて険しい表情になりながら答える。
「だからアタシは頭にきているのよ! アガリアレプトが何を考えていたのか知らないけど、魔神たるものそんな事は常識以前の分別の筈なんだからっ! 幾らあの二人が力を欲しがったからって自分の配下の上位悪魔を…… それも命令で強制して憑依させるなんて滅茶苦茶だわ! ましてや二人ともこの群れの幹部なんだからね? 無責任なのよ、あのビショビショ悪魔はぁ!」
「お、おう、アイツ等泣かされてたみたいでさ、んでちょっと説教してたんだよ」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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