【2145話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2145.迷走
さて、ぶっ倒れていたパダンパが伝えた茶色の閃光の正体とは一体?
ガトやダダ坊、それに竜王グラムランドと配下のドラゴン達の運命は如何にっ?
取り敢えず寝息を立てているパダンパを積み込んだエバンガトラック、勇ましいエグゾーストノートを響かせながら、いよいよウラジオストクに踏み込んで行くのであった。
ところが、である。
程無くしてエバンガは停車、いや足の運びを止めた。
そしてその場からUターンして来た道を戻り、ややあって再びの停止、切り替えして走り出して又止まる…… どうやら迷ってしまった様だ。
無論、強靱治癒によって最新化しているエバンガにはカーナビゲーションシステムだってついている、標準装備だ。
しかし残念ながらこの時代ではグローバルポジショニングシステム、所謂GPS衛星なんかはとっくに運用を停止して久しい。
米国の名誉の為に一応言っておくが、日本のみちびきだってロシアのグロナスだってとうの昔に大気圏で燃え尽きている、つまり見た目豪華なカーナビは無用の長物、複数衛星からの受信ラグから現在地を特定出来ない現在では単なる地図アプリと化している訳だ。
しかも手動で地図をスクロールしなければならないし、表示されている都市なんかは遥か昔に消失し面影すらも留めていない、しかも謎の日本語表示、ガトが不在の一行にはちんぷんかんぷん、全く使い物にならない無駄装備だったのだ。
四回目の停止をしたエバンガに荷台からラマスが声を掛ける。
「どうしたのエバンガ? もしかして迷った?」
『ププー、……プア』
「そう、困ったわね……」
驚きだ、通じているらしい…… 流石はスリーマンセルといった所か。
『何ラマス? 鹿、迷ったの?』
「みたいね」
『はぁ、役に立たない鹿なのだ』
自分達も地理感皆無だろうに他者に厳し過ぎるだろ、お前等……
でもすっかりオートモービルったエバンガを未だ鹿扱いしている辺り、僅かな優しさも感じられる、救いではある。
「坑道から真っ直ぐ南に、その後海沿いに進んだ半島の先端、それがウラジオストクなのよね?」
「ええ、そう聞いていますよ」
「ガト様が出発する前に言っていましたから」
「そう…… 泥棒猫の性悪女が…… じゃあブラフだったのかもね……」
ラマスの心は嫉妬によって偏見が著しい。
『だとすれば本格的に迷ってしまったのだ、どうするペトラ?』
『ううんブラフじゃない筈よ、アタシもアリス時代にそう聞いた事があるもの』
なるほど、ハタンガの女王様には色んな報告とかで耳に入るんだろうな。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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