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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1690.裁き


 そうして始まった、相応しい罰は何? 会議は紛糾した。

 殺す事が出来ないならば拘禁するしかないのでは? から始まり、ヘルヘイムに連れ帰って奴隷的にこき使っては? えー何させるんだよ? 確かに…… とかで行き詰り、どこかの牢獄に入れておくのは? からの、どこに? と来て、えっとぉ、やっぱりコキュートスですかね? となれば、は? 兄上のお膝元じゃん! それじゃ罰じゃなくてご褒美だろっ! こんな流れで振り出しに。

 じゃ殺そう、駄目ですってば、では軟禁ですか? いやどこに? 兎に角獄に繋がないと! そもそも魔界自体が獄、地獄じゃん! では魔界で暮らさせます? それ只の引越しでしょ? 罰なんだから、罰ですもんね……

 無意味な話し合いは長時間に亘ったが、やがて少しづつ考えが纏まり、ハミルカルが一連の決定事項を述べ始める、既に人型、ヨハネ君の姿に戻っているのは会議が揉めた事の証左だろう。

「えーでは結論としては拘禁刑、期間は無期と言う事ですね、問題は場所になりますがこちらは地獄以外と言う事で問題ありませんよね」

 こちらも既に聖母姿に戻っていたバアルが答える。

「だね、魔界じゃ無いよね、やっぱり! 馬鹿ばっかりのムスペルヘイムじゃすぐ死んじゃうだろうから罰にならないし、ヘルヘイムには他ならぬイーチがいるからなんか怒ってきそうだしさ、ニブルヘイムは兄様に近いから論外! となると――――」

 ハスドルバルが少し嬉しそうに言葉を引き継ぐ。

「地上、つまり現世うつしよですよね?」
 
「まあ、そうなるよね」

「わ、我が君っ、よろしいのですか?」

 なるほど、無罪放免? な訳無いか……

「牢獄は現世うつしよ、無論このまま放置って訳にはいかないよ? 罰なんだから! 監獄の檻はこの地上世界全て、どこでも行きたい場所で過ごせば良いよ」

「おぉ何と寛大なご処置! 流石は我が――――」

「但しっ!」

「は?」

「幾つかの制約は課させて貰う、そうだね…… うん、喜怒哀楽の感情や五感、それに他者との関わりや触れ合い、心だけでなく肉体の温もりも駄目だよね…… 死ねず傷付かず、未来永劫、エゴによる利己と愚かさによる自己破壊を繰り返す仲間達、人間の姿を只々眺め続けるのが丁度良い罰になるんじゃない? 経験による知見や知識、工夫も技能も何も行使出来ずにほぞを噛み、無為に見守るだけ…… そんな喪失と無力感に溢れた日々の繰り返しで己がしでかした罪の重さを悔やみ嘆き続ければ良いよね! まあ泣く事も出来ないんだけどさっ! くふふ、ふふふふ」



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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