【2048話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2048.水虎
さて、つるっパゲでは無く薄らパゲだったヒョウスベ達も綺麗にミンチ、ナマスに刻んだレイブはすっかりご満悦な様子で、死屍累々の血生臭い殺戮現場に立ってガッツポーズなんかしていやがる。
無音の鏡面を眺めるメンバーからは自然発生的な拍手が鳴り響いている、心温まる雰囲気である。
不意に画面内のレイブがてんで明後日の方向、淵の奥に向き直って構えを取る、唐突過ぎる上に無表情、中々に大根役者ぶりを見せ付けやがる、やるな。
どうやっているのか鏡面のキャメラアングルもそちらにズームしている、しかもサークルショット、所謂オービットでの寄りでだ、ダイナミックな場面演出を心掛けてもいるらしい、プロかも知れない。※サークルショットは回転しながら対象を捉えるカメラテク…… 調べてください
映し出された鏡面には光り輝く水面に滲み出す人影が……
『出たな…… 淡水の水神、つまりラスボス、水虎じゃろうて』
『神…… スイコっすか?』(ゴクリ)
長老キトラ(事情通)とパダンパ(ノービス)が言葉を交わす中、徐々に光りが収まり、神様らしい水虎の姿が映し出されていく。
淵の中央、良い感じの岩の上に佇む神の姿とは、レイブより少し小柄な体格の人型で当然二足歩行である。
頭髪の類は一切無く正真正銘のツルツル頭、顔から全身の至る場所を鱗で覆われており、腰から下には何かの皮製だろうか? 黒一色のレザーパンツっぽいボトムスを装着している。
関節を守るためだろうか、腰骨と膝、足首の各部位を保護する様に飾り付けられた牙や爪はどこかで見覚えがある…… そうかっ! クルン=ウラフを襲撃したバイコーンの物とそっくりな意匠が施されている様だ。
声が無い映像の中、神である水虎に向けてレイブは瞬時に走り出し、対する水虎も同時に駆け寄る。
肉薄した瞬間、同時に何かを叫ぶ両者は、躊躇なくお互いに抱き合いそのままクルクルと二、三周美しく舞踊ったのである。
ハンペラが感嘆と共に言う。
「ちゃんシュカじゃん、会えたんね…… 善き哉…… グスッ」
良かったね、ハンペラ♪
この訳ワカメな展開について、その後観覧メンバーが嬉しそうに語り合う言葉から私なりに考察したのでお伝えしておこう。
どうやら、この日本らしい場所からの映像通信、レイブだけを映し出してくれるらしい。
いや、正確には登録済みの魔力紋がしすさんにアクセスした場合、重複エラーのアナウンスに合わせて暫らく流される無声映像、それが一連の動画の正体だったらしいのだ。
また無駄なリソースを…… 確かに、しかしそれ程に深いトラウマを抱えていたのだろう、コユキ達の苦しみを判って欲しい。
ほら、こっちにこうして元気でいるから! そー言われた所で、そっか俺偽者だったんだな、そんな風に思える奴がいるとは思えないが、彼等なりの気遣い、優しさだったのでは無かろうか? 多分……
まあ、そのお蔭でこちら側でも日本が垣間見えるのだ、結果オーライ、感謝して然るべきだろう。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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