【2182話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2182.伝説の豚姫
感情が表に出難い以外、共通項が見当たらない鳥類の中から、ペトラを左右から抱えあげた二羽が民生と呼ばれた個体に向けて明るい声音で答える。
まずは右から。
「いやいや、このボアのが断然可愛らしいじゃないですかっ! なあ?」
続いて左。
「その通りっ! なにしろ俺達最初に会った時、おっさんだと思いましたからねっ! コユキさんっ!」
ほう、こいつ等も当時を知る長生きキャラなのかな? まあ、コユキと初めて会った感想なんて基本的には似た様なものだろう…… おっさんかさもなくばギガントピテクスやゾウアザラシとかに相場は決まっている。
民生は笑いながら返す。
「そうか♪ そういやお前等は会っていたんだよな? 上野署時代だよな?」
「ええ、警視庁上野署動物園前交番勤務時代ですよ! あの時はてっきりおっさんだとばかり…… なっ?」
「本当だよ! 女要素ゼロでしたからぁ! 口笛だけはヤケに上手かったよな? リゲティだったか?」
「ああ、悪魔の階段をノーブレスだったぁ…… あれには驚いたよなー!」
「全くだよ♪」
なるほど…… どうやらジローとユイのカバカップル、略してカバップルと闘った後にコユキに職質かましたおまわりさんらしいな…… 察するに民生や柔男同様、元官憲ってか警察官とかで構成されているみたいだな、この烏骨鶏軍団は……
重量級のペトラを易々と持ち上げ、民生と共に南野柔男に歩み寄った二羽の膂力に目を見張るギレスラ、思わず発した問いは最初とは少し変わるのであった。
『あんた等は伝説の豚姫、コユキを知っているのだな?』
民生が反応する。
「豚? いや我々が知っているのは人間のコユキさんの方だね…… そのお姫様は、えっと、この豚の身内とか、かな?」
『そうか、同名なだけで似ても似つかぬニンゲンの事だったのだな』
「いや、似てるか似ていないかで言えば割と似ていたぞ、豚とコユキさん! 裸で四つん這いだったら区別がつかなかっただろうしな」
「ははっ、違いない」
昔だったら大問題、訴えられても仕方ない発言を続ける元公僕、苦笑いを浮かべる民生も嗜める気配すらも無い、彼等はとうの昔にそー言った呪縛から解き放たれたのだ。
烏骨鶏独特の逆立てた様に天を衝くスパイキーヘアもどこか自由の象徴に見えたりする中、ガトとダソス・ダロスはお互いに自己紹介を終えた烏骨鶏を引き連れながらこちらに声を掛けてくる。
「だからコユキは人間なのよ、何度も説明したじゃない」
『む、そうだったか?』
『御伽噺とごっちゃになっているのだろう?』
『むむ? では両方ニンゲンの事だったのだ、って事は、この南野柔男とゆーキメラ達は伝説のコユキの知り合いなのだ』
ガトは額を押さえる呆れMAXな動作で言葉を返す。
「もうっ! それよりミナミノヤワオにタミオでしょ? 思いがけず探し人に出会えたみたいじゃない?」
ギレスラの怪訝な顔は深められる。
『探し人? 何を言っているのだ、ガトよ……』
うん、だろうな…… 結構時間が経っている、加えてカウンターパートを担っているのはあのギレスラだぞ? 憶えている訳無いじゃないか……
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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