【1948話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1948.喧々諤々
暫らく時間が流れた。
皆さんの尺度で言えば二時間弱だ。
この間、一頭の悪魔入りカメの尊厳をぶち壊した豚猪、ペトラはグーグー白河夜船を決め込んでいた、つまり惰眠を貪っていたのである。
『何だと? ではハタンガ攻めの理由は神ヒュドラの依り代確保、その為だったと?』
干し肉を齧るギレスラの問いには車座の対面に座ったグラムランドが答える。
『いや確保するのは神の玉体たる『魔核』の方だ、さっきから言っておるだろう?』
ギレスラは長い首をクルリと傾げている。
『ふむ、判らん』
『何故だっ! 余は何度も説明したであろうっ?』
『判らんものは判らんのだ! レイブ、判ったか?』
「あ? ああ、あれだろ? えっとハタンガには魔力が溢れている…… んで神様のヒュドラは魔核の状態であっちに置いてあるから取りに行くのも命懸けでぇ…… あれ? そもそも何で取って来なければならないんだ? あっちに置いとけば良いんじゃね?」
グラムランドは大きな溜息と共に返す。
『いやだから魔力が充填されたら神様復活しちゃうって言ったでは無いかぁー、ちゃんと聞いていたのかぁ?』
『復活したら駄目なのか?』
『いや駄目では無い! じゃなくてあっちで復活したら依り代がって話、何度もしているではないかっ?』
「依り代は神様自身が選ぶんじゃないか? 俺達の時にはそうだったけど? なっ?」
『うむ、問答無用だったのだ』
「それに子分的な立ち位置の信徒? がとやかく言うのも何かなぁ、不敬? とかじゃ無いのかソレ?」
『まあ確かに出過ぎた事かも知れぬが…… 事は急を要するのだ、言わば緊急事態、故な?』
「ふーん」
『で? なんなのだ? 『魔核』を手に入れてご立派な竜王陛下が依り代にお成りあそばされる、と?』
『違うと申しておるだろうがっ! そもそも余には依り代に選ばれる資格が無いのだと何度も何度も――――』
『資格があればやりたかったのだな?』
『当たり前だっ! 真なるドラゴンになれるのだぞ? 我々はその悲願の為に何世代もこの厳しい環境で――――』
『認めたのだ』
「うあっ、我欲ーぅっ!」
『我欲じゃないっ! 滅私の上での大望だっ!』
「で? 何でギレスラを依り代にスカウトしたんだっけ?」
『赤いからだ! 我等が神ヒュドラ様は赤の依り代しかお使いにならんのだ…… ってこれもさっき言ったであろう? ちょっとは憶えろよ』
「赤が良いなら他にもいるじゃん、サワガニとかヒトデとかさ」
『ドラゴンの神だぞ? ちょっとは考えてから言えよ……』
『種族差別なのだ』
「我欲かっ?」
『違うわっ!』
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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