【2140話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2140.Bigrig
荷役ジャンケンに勝利して以来、ポーっとしながら座り込んでいたギレスラは、顔面を自分より大きなカタボラに覆われながらエバンガに聞く。
『やはり修行不足が顕著に出たのだ…… もう大丈夫なのか?』
『ピー、問題無く機能しています、ピー』
『なら良いのだ』
多少抑揚が無くトーンも単調だが機能的に問題は無い様だ、良かった。
ペトラも気にかけていたのか続けて声を掛ける。
『色々片付いたら修行のし直しね、覚悟して置きなさいよ?』
『ピー、了解いたしました、ピー』
『エバンガったら全くもうっ♪ うふふ』
修行も厭わず受け入れた…… どうやら精神的にも問題は無いらしい、重ね重ね良かった。
話し方だけはほんの少し固く聞こえるが大怪我の後だ、そーゆー物なのかも知れない。
安堵の息を吐いた一行に、エバンガの背中に登り終えたラマスが言う。
「じゃあ出発しましょ♪ 皆も乗って行きましょうよ!」
この声にすぐさま飛び移るバッタとカメムシ、ギレスラとペトラ、レオニードとミロブロは顔を見合わせて言葉を交わす。
『ペトラちゃん良いのかな?』
『ラマスが良いってんなら良いんじゃない?』
『そうか…… そうだね』
「俺達も大丈夫なんでしょうか?」
『む? 何故なのだ?』
「実は最近人型や半獣で居るのが結構しんどいんですよねー」
『そうなのか?』
「ええ、そうなんですよ、なっ?」
「それで移動中とか獣型でいるんだよな」
『なるほど、なのだ』
『良いんじゃない? エバンガの修行にもなるだろうし』
『うむ、若い内の苦労は買ってでも、ってヤツなのだ』
「あーなる」
「んじゃ遠慮無く」
実は一行の中でも二番目に若く、精神的には一番のガキであるギレスラの決定で、全員がエバンガに乗って出掛ける事となった。
重量級の負荷には機械っぽく強化されたニューボディすらも耐えられずにへし折れ、その後、ラマスは出発までに六度の『強靱治癒』を施す事となってしまったが、お蔭で完璧な積載能力を手に入れたエバンガは遅れを取り戻そうとばかりに勢い良く走り出したのだ、結果オーライ。
すっかりフラットで居心地良く進化した背中は快適で、一行はここまでの疲れからか軽い睡魔を感じていた。
最新のサスペンションシステムは揺れを最小限に押さえ、悪路も最適なスタビライザーのロールコントロールと蹄が変形したグラベルタイヤのお蔭で安定感も抜群だ。
眠気を抑える様にペトラは爆走するエバンガに声を掛ける。
『良いじゃないエバンガ! とっても快適よ!』
『プーッ! プップッー♪』
返したエバンガの声音も嬉しそうである。
鵠を刻して鶩に類す、多少機械っぽく、いや、まんまトラック(自動運転)となったエバンガは、ウラジオストク目指してラリーレース宜しく、一路草原を疾駆して行くのであった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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