【2104話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2104.強襲
そこからヴラドは一連の出来事を語ってくれた、その間、偉そうに問い質すギレスラがラマスに縋ってい続けていたのは残念の極みだが、ずっと我慢して立ち続けて微動だにせずにいたラマスの胆力こそを褒めるべきなのだろう、結構凄いと思う。
話の腰を折ってはいけない、その一念で直立不動なラマスの足がガクガクするまでの間、ヴラドが語った顛末はざっくりこんな感じであった。
少し前、レイブ達を追って東へ向かった面々、獣人達が突然戻って来た所から話は始まった。
夜明け前に到着した彼等はガトの指示の下、坑道内に押し入るとあろう事か下半身だけになってポーっとしていたマナナンガル達を運び出したのだと言う。
有無を言わさぬ感じで黙々と作業的に拉致を敢行する半獣の集団を前に、ヴァンパイア達はじっと気配を殺して震え続けるしか出来なかった、そう告げた時、ヴラドの頬を伝った涙には自分の無力さに対する忸怩の思いをも含まれていたのだろう。
嵐の様に現れた獣人達はマナナンガルの下半身を略取し、再び嵐の如く立ち去って行ったという。
ヴァンパイア達は友人が強制連行される様子を見送る事しか出来なかった…… 人攫い共は南に去っていったそうだ……
「それって仲間が攫われるのを指を咥えてって事?」
「折悪しく日の出でしたので」
『なるほどなのだ』
『じゃあ仕方ないわね』
「ん? まあ良いわ、それで?」
ヴァンパイアは太陽光に曝されるとキツい、つまり大ダメージを負ったりするのだ。
ギレスラとペトラの言葉に従ってラマスは一応納得しスリーマンセルのエバンガとカタボラもそれに倣った、しかし、この場にはもう一者、ここに初めて来訪した門外漢的な存在がいたのである、竜王の里が誇る魔獣軍団の長、夜虎のレオニードである。
『ちょっと待てよ、日の出? が何だって言うんだっ? 事情は知らんが仲間を見捨てるとは感心しないな! いや、はっきり言って不快、不愉快、見下げ果てたあさましさ、卑怯の極みでは無いかっ!』
まあ、理由を知らない他者から見ればそう感じちゃうよな。
気分を害したレオニードはそっぽを向いている。
彼に言葉を返したのは当のヴラドではなくラマスから飛び降りたギレスラだった。
『レオニード兄さんっ! そんな風に悪し様に言ってはいけないのだっ!』
ん? 珍しくまともっぽい事を言ったな。
『ギレスラ君っ? いや、だけど、陽が出た位で仲間を見捨てるとか…… 無くない?』
うん、それも又、尤もな意見だよ。
『ンガァッ! 人にはそれぞれ事情があるのだぁっ! そんな事も判らぬとは…… 所詮は獣、ニャーンだったと言う事なのだな…… はぁ~、情け無いのだぁ~! まっ、仕方無いかっ、猫だもんな猫っ、ニャーン、ニャハハハァーン!』
いや、その事情を説明してやれば良いんじゃないか? そこを端折った上でよりにもよって種族差別とか? ヤバいんじゃないか?
『は? どんな事情があるにしろ仲間が攫われてるんだよ? 助けるじゃん、普通! それに…… 何て? 猫が何? 私、いや、俺は虎っ、それも漆黒の夜虎なんだけど? あれか? ギレスラ君って馬鹿過ぎて虎と猫の区別もつかないとかソーユー? 可っ哀っ想っだね、馬鹿ってっ!』
あらあら……
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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