【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1478.ランプリー
尋常ではない変化を前に、流石に恐怖を感じて肩を抱き合った獣人二人に向けて、シドは口元から流れ落ちた涎を拭きながら言葉を続ける。
「あーオホンっ! アレだよ、もし君達が本気で心から望むのであればね? 私が力を貸してあげようかなぁー? ってね?」
「ほ、本当ですかっ?」
「無論だよー」
「俺達も皆さんみたいに強く? なれるんすかっ?」
「あーもう余裕だよ? あっと言う間にゴリゴリの強者だけどねー」
「お、おい、聞いたか?」
「あ、ああ、聞いたよ!」
「で、どうするー? 力を、強さを欲するの? 心からだよー? 望む?」
「の、望みますっ!」
「力を下さいっ!」
レイブはどこかで見た感じのやり取りに旅立ち前の景色を思い出した。
「あっ、メルルメノクやズィナミ学院長の時の――――」
「良かろう! 静寂に君臨せし氷雪の支配者よ、深き帳を出でて汝の友の声に答えよ! んでー、獄炎に安らぎを齎す灼熱の化身、我が召還に踊り狂いその契約を果たせ! 来るが良い、タリヒマル! そしてエレーロギャップ!」
レイブの言葉を遮って、不思議な呪文っぽい詠唱を済ませたシドは大仰に両手を広げて見せている。
時を置かず、背後の泉から二匹の巨大な生物が姿を顕すのであった。
その姿は水棲生物のヤツメウナギ、所謂ランプリーである。
ただし、例によってサイズは馬鹿みたいにでかくて醜悪、それぞれ角や棘に身を包み奇怪極まり無い容姿をしていた。
二匹の内水色の方は周囲の泉を瞬時に凍りつかせ、対してもう一方の赤いランプリーは自分の体に触れた水をボコボコと触れるや否や沸騰させている。
レイブ達スリーマンセルに近い場所に顕れた赤いヤツメウナギがゆっくりと首をもたげて何重にも並んだ凶悪な吸血用の牙を見せる。
『ジーッ! ジッジッーッ!』
テューポーンが先頭に飛び出して威嚇? 的に鳴いていたが果たして効果は如何程だろうか?
滅多な事ではビビらないレイブでも、流石に恐怖を感じたのか身に帯びた唯一の武器、ゼムガレのナイフを強く握り締めた、その瞬間。
「エレーロギャップ! 闘わせる為に呼んだんじゃないから大人しくしろよ! それにそこのバッタは『百頭の魔』テューポーンの仮初の姿だ! 良くて相打ち、普通に考えたらお前でもイチコロだよ」
効果は絶大だったみたいである、大した物だ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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