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【1961話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~

1961.叛乱

 お互いに覚悟を決めた者同士、それ以上の言葉は要らない、そうとでも言わんばかりの静寂が場を覆う。
 長老キトラは静かに瞑目したまま長く出した首を地に沿わせ、どこか満足気にすら見える笑みを浮かべてもいる。
 対するレイブも、気に当てられたかの様にゼムガレのナイフを構える姿勢すら正当な物へと変化させていた。

 具体的には、殺傷能力的には決して有効でも何でもないチャラチャラしたナイフアクション、所謂いわゆる、クルクルナイフを唐突にやめて、より実践向きな腰構えで必殺の一撃を放てる様に息を整え始めたのである、結構立派な鉄砲玉になれそうだ、いや、立派な鉄砲玉とか訳ワカメなのだが……

 兎に角、呼吸が収まり無駄な発汗すら消え失せたレイブは静かに発する。

「……いきます」

 キトラは何も返さず微動すらしていない。

 ダッ! ババッ! カッ! ゴオオオオォォォッ!

 思い切り体ごとぶつかろうと駆け出したレイブは次の瞬間、紅蓮の炎に包まれていた。

「熱っ! 熱っちちちっぃ! な、何するんだよっ! ギレスラっあぁっ!」

 どうやらすんでの所で間に入ったギレスラが炎を吐いたらしい。
 真正面から火炎を浴びせられたレイブであったが、持ち前の瞬発力で即座に飛び退き、燃えたのは両の睫毛だけである。

『待つのだレイブ! やっぱりこんなのは間違っているのだっ! ち、長老を殺めるなんてぇ……』

 ギレスラのほぼ泣き声の言葉にレイブは返す。

「間違いも何も俺が殺りたい訳じゃ無ーよっ! 熱ちち! 殺らせたがってる爺に言えよっ!」

 尤もな主張だ。

『頼む、止めてくれレイブ…… 我にとっては特別な存在、名付け親なのだ…… 言わば親同然、頼む、頼むのだぁ……』

「だから爺に言えよっ!」

『何じゃ? まだかの? レイブどうしたんじゃ?』

「今焼かれたんだよっ! 見てなかったのかっ!」

『焼かれ? 誰にじゃ?』

「お前が名付けた奴にだよっ! ってかお前のせいだぞっ、ちゃんと見てろよっ!」

 再会時のお爺ちゃんは今やお前呼びまでレベルダウンしていた、こうして子供は大人になって行くのだろう。

 大物中の大物、匂い立つキトラはそんなレイブを咎めるでもなく首を傾げながら返す。

『名付け? まあ儂はハタンガの副王じゃからのう、数え切れぬほど名付けや仲人をして来たが…… そうかっ、追い詰められて焼身自殺を図りビビッて死に切れなかったんじゃな? お主意外に意気地が無いんじゃのう、レイブ』

「俺じゃねー、そっちの赤ドラゴンにギレスラって付けたんだろうがっ! って、待てよ…… お、俺もか? 俺の名前も臭いの、いや、長老が付けたのか?」

『じゃぞい、確かブレイブニアから連れて来られたからじゃったのう、略してレイブにしたんじゃ、どうじゃ、気に入っとるんじゃろう? フォフォフォ』



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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