【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1291.手札で勝負
ペトラの声には多分に同情が含まれていたがギレスラは一刀両断である。
『ふん! 自らの状況を嘆くなど愚の骨頂ではないか! この時代生きている以上、多かれ少なかれ不遇である事は当然、至極当たり前の事だぞ? 無い物を嘆くのではなく有る物を活かして行くしかないのだ! なあレイブ?』
まあね。
思えばこのスリーマンセルやガトは、不遇を不遇とも思っていない感じの強かさに長けているからな
…… そう言い切ってしまうのも判るけどね。
普通なら結構な自己憐憫に囚われてもおかしくない世の中だからねぇ、エピクテトス語録とか残っていれば良かったんだけどね。
まあ、様々な価値観が失われる中、ストア派哲学が生き残る余地は無かったのか、それとも、不遇が当たり前過ぎてそれでも生き抜かなければならなくて、んな当然のことを考える余裕も無くなったか、そんな所だろうか?
熟希望の持ち難い時代だと思う。
ギレスラの偽り無い言葉を聞いたレイブは当然の様な口調で返す。
「まあな、結局持っている物、手札で勝負するしかないんだからな! アンティエした以上、ラウンドごとにベットし続けるしかないんだからな! 手札が悪くても逃げるのも負けるのも嫌ならそいつで勝負するしかないんだよ、ブラフだろうがはったりだろうが出来る事をやり捲ってスチールするしかないんだから」
うん、レイブ達スリーマンセルってそれ得意だよね。
なんなら、コールした後でも煙に巻くまで有りそうだからな……
レイブの言葉は、結構判り易い例えだと思ったのだがガトは首を傾げて聞き返す。
「何? アンティエとかブラフ? って何の話し?」
「ん、ポーカーだよ」
『カードゲームだな』
『トランプを使うギャンブルの一つの事よ、単純に札を揃える運だけじゃなくて駆け引きの妙、心理戦の交わし合いでもあるのよ? ブタでも、あっ、これはアタシの事じゃなくてハイカードの事なんだけどね、揃って無くても強い手を持っているみたいに思わせたり、逆に弱い手に見せてオールインを誘ったりするゲームなのよ』
ペトラの丁寧な説明を聞いたガトは自らの拳で掌をポンッと叩いて納得顔で返す。
「あー、トランプねー、アタシは見た事無いけどサタナキアが知ってたみたい、幸福寺の本堂? って所で毎夜毎夜、ギャンブル依存症達が集まってやっていた事が記憶にあるみたいだわ! 下らないと思って参加しなかったみたいだけどね! アンタ達はやった事あるの?」
スリーマンセルは揃ってアルゼンチンの五月の太陽で答える。
「いや無い、と言うかトランプ自体、見た事も無い……」
『アスタさんが依存症だったのだろうか……』
『わ、判らないわよ? 只知識として知っていただけかも知れない、じゃないの……』
揃って語尾が弱々しいスリーマンセルを放置してガトは説明を続ける、ナイス判断だろう。
「そ、それで森の中から伝わってきた想念を辿ったら出会ったのよ、嘆き悲しんでいる『森王』、ダソス・ダロスとね」
「『『え!』』」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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