【1850話】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1850.まず行え
ペトラは心底呆れた、もう呆れ過ぎて相手にもしたくない、でも仕方無いか、チェッ! そんな表情を返しながら答えてあげる、優しいし表情のイヤイヤ感でも勝っていた、流石だ。
『レオ兄さん、やるやる言ってるけどさ、それって何時からの話し?』
『え、何時って?』
『だから何時始めるのかって事よ、もうっ!』
なるほどね、ペトラのイライラ加減も理解できる、だって具体的な開始時期が明示出来ない、要するに口約束、いや口から出任せなのでは? そんな疑義が生じてしまう言い口が気に入らないのだろう。
流石に察したのかレオニードはこれまでよりやや早口だ。
『あっ、今だよっ! 今すぐ始めるよっ!』
『今? この瞬間、って事?』
『そうそう、今、この瞬間から始めるよっ!』
『ふーん』
『えへへ』
『………………ねえ』
『ん?』
『やってないじゃん? 何? さっきの嘘なの? ってか又嘘吐いたの?』
『え?』
なるほど、今は次の瞬間過去になる、一方通行に通り過ぎる時間上に生きている全ての存在が逃れられない不文律だ…… 唯一の例外、私、観察者のカーリーは遠い未来で観察中、つまりレオニードの発言は嘘になる訳だな。
今始める、そう言った瞬間、その発言は過去になる、ってか嘘になる。
やるとか宣う前にやらなきゃッ! いつやるの? 今でしょっ! そんな言葉も流行ったじゃんね、まあ、レオニードは知らないだろうけど……
『赤心からなら口先じゃ無く行動で示すべきじゃないのっ?』
『あ、うん、そうだよね、判ってはいるんだけど今聞かれた事に返事を――――』
「あーもうっ! 良いよ! 言ってやるなっ! 無駄だし」
『あ、いや、やります』
『だから言葉はいらないのよっ!』
『抗弁はもう良いのだ』
「「やらないと」」
『ほら親父っ! 早く早くっ!』
『あ、ああ、えっと、グルグル? ぐ、グルグルグルグル?』
「うああ照れてんじゃん」
『もっと本気で! なのだ……』
『え、あ、うん』
『返事じゃなく行動よっ!』
『っ! グルグルグル、グッグルグルグルグルグルグルグル』
度重なる駄目出しを受け、何かを悟った感じのレオニードは躊躇いを捨て去りグルグルやり始めた。
徐々にスピードを増す発声に伴って、普通の夜虎に戻っていた全身は再びアッシュな金属へと変貌を始める。
周囲で見守っていたメンバーは安心したのか各々の作業を始めながらも賞賛の声を途切れさせない、今度はレオニードを応援、って所だろう。
「その調子だよ! 良い感じだよ!」
『もっと早く、そして隅々まで行き渡らせるのだ!』
『休むんじゃないわよ、サボったらまたぶっ飛ばすからね』
「頑張って下さーい! おい、そっちのドングリ取ってくれよ」
「おう、サファイアも忘れんなよ、代わりが無いんだからな! ファイトですよー!」
『ミロンちゃん、水さ、皮袋にも補充しといてよ、親父ー、良いぞー!』
「うん、どれ? ガンバでーす!」
『あ、うん、こっちの袋で! お袋ーガンバレー!』
『ジジッ?』
『ヤベッ、親父だったっすー』
「「あはは♪」」
『ジジー♪』
『グルグルグルグルグルグルグル――――』
和やかなムードの中、一心不乱にグルっていたレオニードの心中に劇的な変化が起こり始めていた。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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