【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1640.生きる即ち之鍛錬也
で彼等、下戸で素直なだけじゃなくもう一つ特質すべき特長がある。
一言で表現すればトレーニング好き、いや鍛錬マニア、いやいや最早尿酸ジャンキーと呼んでも差し支えない位のマッスル民族、パンクアップ特化生物なのである。
生きる事は鍛える事、それ以外に何があるの? を地で行く集団なのだ。
は? 別に珍しくねーじゃんか! 俺っちだって毎朝夕近所の公園でチンニングにプッシュアップにレッグレイズにスクワット、クランチクランチ仕上げにカーフレイズにランニング、鍛え始めるとやらずにいれないんだわー、同じじゃね?
判る、判るのだが、彼等のそれはレベルが違う、正にレベチなのである。
彼等、自分達をゲタイの裔と称する人々は物心ついた瞬間から鍛錬を始める。
いや、生れ落ちて産声を上げた時から彼等の競争は始まっているのかも知れない。
我が児を抱き上げた瞬間、父や家族達は赤子に大きな声で泣く事を求める、他所の児よりも大きく長く、自らが生を受けた世界の不条理を嘆いて止まぬが如き、絶望とも取れる叫び声の響きを嬌声と笑顔でもって歓迎するのである。
羊水で満たされ平穏と愛で溢れていた肺胞は今や燃焼を齎す酸素によって焼き炙られ、全身を駆け巡る内燃成分は余す所無く総身に激痛を齎す、産声はその苦痛に対する抗議の声なのだ。
しかし彼等はこの嘆きの大きさを寿ぎ祝福で迎える。
苦難と苦痛、時に苦役と苦悩と苦労と苦境、苦々しい不愉快に溢れる世界でそれに抗い立ち向かう胸中の熱、不屈の闘志を声に感じ取るのである。
事実、同じ哺乳類の中でも長い方であるヒトの妊娠期間を経ても、誕生時に未熟である呼吸器官、特に横隔膜の収縮に関する筋組織はこの産声時にその一生を左右する差が生じているのだ。
産声のデカさと長さ、メッチャ大事、そーゆー事なのだ。
そして彼等の喜びは誕生の瞬間だけでは無論、無い。
授乳時からヤバい位に振り捲った首が据われば更に激しくガックンガックンさせたりして、再び不死鳥の如く安定する頭部に大騒ぎで喜んだり、這い始めれば進行方向に障害物を置いたり後ろから文字通り足を引っ張ったり、ヨチヨチ覚束なく歩けば早速その背中に尋常でない重荷を背負わせてみたりだとか、考えられる限りの試練を死ぬか死なないかのギリギリラインで課したりしちゃったりするのである。
ね? いと恐っろしい民族なのだ。
ん? 何がだ? 俺っちの田舎でも子供泣かして相撲だとか何とか言うし似た様な事って広い世界中だったら山程あるんじゃね?
なるほど…… 確かに戦闘種族とか呼ばれている日本人がメインであるオーディエンスの諸氏ならばそんな風に思われる節もお有りだろうな、理解みが深い。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
Copyright(C)2019-KEY-STU
いいなと思ったら応援しよう!
励みになります (*๓´╰╯`๓)♡