【1824話】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1824.リターンマッチ
猿芝居、いや初心な相手に観せる子供騙しを終わらせた主演メンバーから、まずは漆黒の猪が被害者レオニードに問い質す、声を掛けたのではない、正しく問い質す、そんな嫌な口調と表情で、である。
『これでレオ兄さんもモンスター汁が飲める体質を手に入れた訳なんだけど? なんか頭の位置が高いわよね…… 良いのかしら? その位置で……』
まさかのヘソ天お替り、しかし進化したレオニードにとってヘソの価値はそんなに安くは無い。
金属質の毛並みを輝かせながら答えるが、判り易くそっぽを向いたままである。
『別にこっちが望んだ訳でもあるまいしっ、そもそも頭を下げる必要性がこれっぽっちも見当たらないからねっ』
『んなっ! ぶっ飛ばされないと思ってんのアンタ?』
『ふふん、今や頑強な金属の鎧を手に入れた私、いや俺様が豚、しかもやせ細ったガリガリポーク如きにぶっ飛ばされると? はははこいつは傑作だぁー!』
人や豚、トカゲだけで無く、ネコ科の猛獣もか弱かったらしい、主に心が、である。
まあ種族が何であれ、持ちなれない力を手に入れた場合は大抵こうなってしまうのかも知れない。
デスなノートや四次元にアクセス出来るポケット、ラノベなんかで様々なチート能力とかを手にした一般人あがりが、調子に乗って戦いの最中にニヤニヤヘラヘラしたり転生前の知識でドヤ顔晒すのもその手の弱さなのだろう、ならば仕方がない、スタンダードなのだと思おう。
『くっ、このニャンカス、ニーニーミイミイ泣かしてやるわ…… ギレスラお兄ちゃんっ! 魔力貸して頂戴っ!』
『ふむ、なのだ、ほれ』
気楽な返事と共にギレスラが噴き出した常温のブレスがペトラを包み込む。
『ブヒヒヒ♪ グルグルグルゥ、ブヒッヒッヒー♪』
ブレスを吸収したペトラの体が再び丸々と肥り出し、同時に全身を覆ったオーラは見るからに凶悪そうな鮮やかな紫に輝き出す、殺る気なのだろう。
レオニードは瞬時に彼我の実力差を感じ取った。
何かが尺度になったとか勘とかそーゆーアレでは無い、生存本能的な方のアレである。
――――ヤバっ、あの重量感、もっと強化しないと殺られちまう! えっとぉ……
辺りを見回したレオニードの目に留まったのは、座員達と楽しげに歓談するレイブの姿であった。
どうやら今日の芝居の成果を賞賛しつつ各員の労をねぎらっているらしい、座長なのだ。
本来ならばスリーマンセル側で然るべきレイブから助けを受けれる可能性は皆無だ、しかし焦り捲るレオニードには確信めいた自信があった。
――――多分大丈夫だ! だって俺は、主役だったんだからなっ!
恐怖による混乱で失念してしまった様だが、それを感じさせられたそもそもの芝居が大嘘だからな。
論理的な思考は焦燥とは相容れない、獣ベースなら尚更だ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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