【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1466.好敵手
何やら迫力が数段増して鬼気迫る感じのシドに対してギレスラとペトラはこれまでの経緯を掻い摘んで話した。
聞きながら時折苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべているシドの後ろで、レイブは顎に手を置きジッとしたまま思案の最中らしく真面目な顔を浮かべている。
スリーマンセルの賢い担当、ペトラが順序立てて要領良く話し、ギレスラが要所で補完、少し距離を置いた場所からのミロンとブロルの絶妙な合いの手のケミストリー、程無くして数日前の邂逅についての一部始終、題するならば『再会した幼馴染が何やら妙です~巨人な彼女とラッキースケベ、おっさん時々殺人ビーム~』の顛末はシドの知る所となったのである。
話を聞き終えたシドは自分の親指の爪をガジガジやりながら、あからさまなイラつきを隠そうともせず吐き捨てる様に言う。
「『偽神』、に『乱用』、ね…… はあぁ~、どうやら本当にサタナキアの馬鹿野郎みたいだな…… ちぃっ!」
『むむっ、駄目、なのか?』
『でも…… ガトちゃんて良い子よ? 優しいし真面目だし、それにとっても可愛らしいんだから』
「あーあーっ、あーあーっ、あーーあーーぁっ!」
『な、何よ?』
最近割りと仲良くしていて、野営の夜なんかはガールズトークに花を咲かせているペトラは素直な意見を述べたが、その好意的な言葉を聞いたシドはこれまでの爽やかさが嘘だったかの様に全身を使って全否定、と言うかガッカリ感丸出しである。
具体的には片手で両の目を覆いながら小刻みに首を左右に振り続け、空いた掌を天に向けて肩を竦め、件のあーあー発言を繰り返しているのだ。
大変判り易いボディランゲージに口を噤んだ面々に対して、暫らくするとシドは漸く口を開くのであった。
「ねえ、判ってんの? サタナキア、アイツって偶像なんだよ、偶像? アイドルね、アイドルっ!」
『むっ、確かに自分の口でもそう言っていたが』
『アイドル? それが一体なんだってのよ?』
ギレスラとペトラだけで無く、少し離れた場所ではミロンとブロルも小声で文句っぽい言葉を交わしている様である。
漏れ聞こえる限りでは、でも可愛いよな、だとか、一緒に死線を越えた仲間を否定するとかコイツこそ何なの? だとか言っている様だが、まあ、当然ちゃぁ当然だろう。
顎に手を当てたまま、独り小声でブツブツ呟いているレイブ以外はシドに対してはっきりと抗議の視線を送り始めた。
対するシドは両手を大きく天に向けて広げ、首は真っ直ぐ足元を見つめ、忙しなく歩を進めてそこらを徘徊しながら大きめのガッカリ声で叫ぶように言う。
「だーかーらー、偶像なんだよ? アイドルねっ! そんなの全部君等の歓心を買う為の方便、嘘に決まってるじゃないかぁっ! 演技だよ演技ぃっ!」
『えぇっ?』
『嘘、あれが全部、演技ですって? そんな……』
まあコイツ始めニブルヘイムの悪魔達、所謂ルキフェル配下の奴等は最長で一万年以上騙されていた訳だからな…… その恨みたるや並大抵では無い事位は想像出来なくもない。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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