【2237話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2237.ぶちかまし
『なあレイブ、ちょっとだけ我に見せて欲しいのだ、その、竜の神様、ヒュドラ様の依り代とやらを…… 駄目か?』
お、おう、そうだよなっ! 善悪が特注して結城氏に作って貰った特製のヤツだったよな! 見よう見ようっ!
「あーすまないな…… 普通の人間じゃ取り出せないらしいんだよー、聖戦士って奴を探さなきゃならないらしいんだな、これがー」
あ、うん…… そういやそうだったな…… ん? いるじゃんっ! 聖戦士と聖女の両方を兼任してる性格クソ悪いウサギ野郎がっ! あいつに言えば見せてくれるんじゃね?
『あれ、聖戦士って確かあのウサギ……』
そうっ、それだよっ!
『どういった存在なのだ、その聖戦士とか呼ばれる者は?』
は? 口が悪い長生きのフレミッシュ・ジャイアントだってばっ! さっきまで見上げてた奴、あのクズ野郎だよっ!
「うん、永き時を修行に費やし続けた人品卑しからぬ聖人、らしい…… 今の殺伐としたこの世界、特にこっち側に残っていてくれれば良いんだが、な……」
聖かどうかは怪しい物だしヒトでも無いけどいるんだよ! 卑しくて我が儘でちょっとサイコパス入ったマッドな生物学者がなっ!
『そんな立派なニンゲンがこの大陸に? 見つかるかしら?』
おい。
「判らないけどな、又一緒に探してくれるだろ?」
おいってば。
『勿論よ! スリーマンセルだもん!』
『当然なのだ』
「はははっ、サンキュ♪」
ちっ、まあ良い…… まあこれで通り一辺倒な帰還とお迎え会的な儀式も終わるだろうしな。
そんな風に私、観察者が諦観に至っていると、不意にギレスラが大きく羽ばたいて体を浮かび上がらせながらレイブに向けて言葉を発する。
『では行くぞ、レイブ、歯を喰いしばるのだ』
「え? 歯?」
ブワッ! キュルルルゥ ガッ!
「くあぁぁぁっ!」
なんという事だろう! 急に体を浮かべたギレスラは宣言と同時に急下降、錐揉み状に体を回転させながらレイブに向けてパチキを繰り出し、狙いを過たず尖角の付け根を叩き込む事に成功したのである。
見るからに痛そうな一撃に悶絶するレイブ、と、思われた瞬間、当のレイブは両足を広げて踏ん張り、あまつさえその不適な笑みでギレスラに向かって言葉を返したのである。
「い、良いぶちかましだ…… へへっ! 久々に電気が走ったぜぇ……」
『ふっ、一回は一回…… だが、流石は我の兄、レイブ、だ……』
なんとなくガチの相撲物マンガみたいになりながら気を失うギレスラ、その姿を見届けたレイブも又、静かに意識を失ったのである…… なんだコレ?
『き、きゃあぁーお兄ちゃん達ぃ! しっかりしてぇっ! 『回復』『回復』――――』
こうしてぶっ倒れた兄達を回復したペトラは、様子を見に出て来た仲間達に迎えられ、ほぼぶっ壊れた瓦礫の神殿に戻った、兎に角、レイブが帰還を果たしたのである、良かった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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