【2157話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2157.音の記憶
『他には無いのか?』
『えっ? 他、っすか? うーん……』
『ほら匂いとか? そうだっ! 音とかは無かったの? 何か聞いていない?』
『音…… そっ、そう言えばっ!』
『良しっ、話すのだっ!』
「馬面で厚化粧な若作りの皺くちゃで半分スケルトンの腐乱死体風味の雌が生意気にも何かほざいたのねっ! しゃらくさいわねっ!」
『うりざね顔でナチュラルテイスト、張りマックスで腐ってもいない美人さんですって! ま、生意気? かも知れないっすけどぉ……』
「むっ? 何、アンタ…… あっちの味方、つまりアタシの敵な訳ぇっ?」
『あ、いや、思った事を言ったまでっすよ! お姉さんは凄っく可愛らしいっすよ! マジでっ!』
「まっ! まぁ♪」
チョロイ属性なラマスの扱い方をすっかりマスターしたパダンパにギレスラの叱責が飛ぶ、当然だがラマスの方にも言えよ……
『おい音はっ! 早く話すのだっ!』
『あっ、そっすね! えっとねー、確か打ちのめされているガト様を俺が優しく抱きしめようとしたタイミング辺りから何か機械音? っすかねぇ? こー重量級な金属の固まりが地面に叩きつけられたみたいな音がしていたんすよねー』
『き、機械? 金属音が不意に、か?』
『そっす、不意だったっす』
『どんな感じだったの? オノマトペってみてよ』
『うーん、そっすねぇー、ガシャン? いや、ガシンガシンかなぁ? んで時折ズシィィン! っすね』
『え? それって…… ギレスラお兄ちゃん!』
『うむ…… いと、奴っぽいのだ……』
ペトラとギレスラの脳内では小人の隠し穴から脱出した先、不気味な谷で出会った巨大ロボ、鉄人タロースの威容が再生されていた。
確かあの時はレイブが死に掛けてパーティー自体も風前の灯、バッタの交渉力のお蔭で九死に一生を得た感じだった筈である。
あれから多少は成長した自覚こそある物の、あの時感じた恐怖は未だ彼等の魂にしっかりと刻み込まれていた、具体的には勝てる気がしない、死ぬ自信しかない、出来れば一生再会したくない、この辺りの認識で統一されていたのだった。
そんな細かい出来事を知らないラマスは質問を続ける。
「音はそれだけだったの? 他に何か憶えていないの?」
眼球を上に向けて考えるパダンパの答えに淀みは無い。
『えっとそれ以外だとガト様の声っすねぇ、キャッえっちっ! とか言ってて可愛かったすね♪』
「へーっざとらしいわねっ!」
『わざとじゃないっすよ? 偶然敏感な部位に触れちゃったんだと思うっす!』
「アンタじゃなくて馬面婆の方よ、もう何も感じない癖にっ! ムカつくわねっ! フンっ!」
ラマスの心は独りよがりな嫉妬によって汚れ、その瞳も先入観の闇によって曇り捲っているのだ、ご理解頂きたい。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
いいなと思ったら応援しよう!
励みになります (*๓´╰╯`๓)♡