【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1554.ウィークポイント
恐らく生命維持的に重篤な危機を迎えているレイブをそのままに会話は続く。
『あれ違うんすか? じゃあ一体何のキャーで?』
「あれよ、眼球がレイブの腕を登りながら内直筋と外直筋が蠢いて眼窩脂肪がグジュグジュしてるじゃない? アタシああいうの駄目なのよー! それに筋鞘が引っ張られる度に視神経がウネウネ動くでしょ? あれも苦手なのよー! キモイわーっ!」
「あー、判りみー、アァシも駄目かも、見たくないしぃー」
『へーやっぱ女性なんすねー、へへへ、俺なんて全然平気っすもん! へへへへ』
「そう? 凄いわね! アタシなんかああゆーの見たくないからいつもミンチになるまでグチョグチョのメチャメチャに磨り潰しちゃうのよー! そこいくと頼もしいわねアンター、流石は男の子よねー」
『へへ、へ……』
「アァシそっちのが無理だわー」
そうなのだ。
まともそうで可憐であっても中身は魔神サタナキアなのだ。
宿主となったガトはうら若く美しい乙女である。
その影響で多少優しげでたおやかな反応や言動が見えたとしてもそこから導き出される結果、対処手段が極端、言い換えればどこか悪魔的なのだ。
超越種だから、そう言ってしまえばそれまでなのだろうが、中身入りではないウータンのみならず、魔将入りのパダンパですら軽く引いている様子を見ると改めて良く判る、最高位の魔神サタナキアってやっぱりちょっと邪悪なんだな、と……
まあしかし、流石のサタナキアでも宿主の幼馴染をミンチにする事は憚られたらしく、レイブが細切れにされる事態にはまだ至っていない、良かった。
『っと、『治療』、どうっすか?』
多少なりとも気まずさを感じていたのか、パダンパはガトから挽肉候補へ視線を移しながらスキルを発動させている。
この間、猟奇的な話に一切興味を示さなかったシュカーラが答えたが、その表情ははっきりとした安堵を浮かべて緊張から解き放たれた脱力を伴っていた。
「ああ、お蔭で自己再生の速度も一層上がったらしい、一安心ですね、ふぅ~、ほら見て下さいよ、眼球以外の欠損した部位、千切れた耳の部品や撒き散らしてきた血液や軟骨なんかも集まって来ていますよ、良かった」
『あ、ああ、良かった、っすね……』
やはりこの十日間でそれぞれの関係性に少なくない変化があったのだろう。
心底ホッとした声を発するシュカーラは集いつつあるレイブの部品に優しげな笑みを向けている。
当然パダンパは化け物を見る目だ、こっちが普通の反応だろう。
「やだ、益々気持ち悪いわね」
歯に衣着せないガトの率直な感想に、さりげなく視線を遮蔽できる位置に移動するウータンとパダンパもレイブに対して好感を抱いている事が窺える。
もしかしたら見た目可憐な魔神様、戦慄の肉挽き料理人に無駄な罪を負わせたく無かっただけかもしれないが……
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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