【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1665.カプルナ砦のイザベラ
今回はまだまともな息子の方、それも赤い雷で費用対効果を考える知恵を持っている弟だ、良かった。
一応出番を知らせる稲光を何発か輝かせた後、当たり前の様に地面に降り立って周囲を見回しながら普通に話し出す。
「んだよコリャ、こいつ等はキメラか? それにあっちは食人鬼かよ、おい…… ったく、好き勝手やりやがってぇ、全くぅ」
「ひっ、ベ、ベラっ!」
「お嬢様、私の後ろにっ!」
「うんっ!」
彼の時代から見ても古めかしい神聖隊の将軍装備は無駄に煌びやかで、彼自身が発する赤光と相まってより迫力溢れる姿であったが、勇敢にも崩れかけたメイドのベラは短刀一本を構えて彼とカーミラの間で深く腰を落とした。
ベラに向けてハスドルバルは軽い口調で問う。
「反りの内刃? 女、貴様もダキアか?」
どこかに変な力が加わったせいか、構えを取るベラの脇腹から腸が勢い良く零れ落ちる。
「ああっベラっ! は、腸がぁっ!」
「くっ! 大丈夫です!」
マジか、丈夫だな。
体のあちらこちらを崩壊させながらも気丈に振舞うベラにハスドルバルは再び言葉を掛ける。
「只のダキアとは思えぬ覚悟だな、女、俺はハスドルバル、バルカの家の者だ、貴様の名を聞いておこうか」
ベラは用心深く構えたままで答える。
「私はダキアのベラ、カプルナ砦の娘、イザベラだ!」
「ほう、カプルナの…… ではブレビスタの娘なのか、それはそれは♪」
ああ、イーチの娘だったかな? って事はこの時点で齢千年を越えるのか、生身で? 本当に丈夫な種族だね。
一般的なホモサピエンスとは隔絶した生存力を誇るダキアのブレビスタ達だが、ハスドルバルの興味は別の箇所に移ったようである。
臨戦態勢のイザベラに対して、一切の警戒も見せずにズカズカと近付いて顔を寄せ、数回鼻をひくつかせてからぞんざいな言葉を発する。
「イーチの娘よ、どうやらお前は既に死んでいる様だぞ、少し臭うしな」
「なっ?」
イザベラに守られつつ、未だに長いすから起き上がってもいない不真面目極まり無い態度のカーミラが驚きの声をあげるが、当の本人、イーチさん家の長生き娘は、目の前の巨漢、雷精ハスドルバルの逞しい胸板にダキアソードをガシガシ突立てながら必死の形相だ。
「純粋なブレビスタが死ぬものですかっ! 我等は永遠不滅っ! このフェニキア人の異教徒めがっ! 死ね死ね死ね死ねえいっ!」
うん、まあそいつらはサルモクシスの直接的な信者じゃ無いから異教徒と言えば異教徒なんだが、そいつらの崇める神、ゲベレイジスのバアルは狂信的なルキフェル信望者なんだよな? 大雑把に分ければ身内、若しくは異端扱い位なのでは無いのだろうか? こういった問題って複雑で難しいんだよね。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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