【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1336.恵みの雨
クレバーで冷静沈着がウリだと自分で評価していた私はすぐさま対応策を実行した。
所有しているスキルの中で魔力消費が大きな物と言えば、双子デスマン師匠から教わったパシュート系である。
その中から現状で使えそうなスキルは『追跡』一択だ。
なにしろ遠くから魔力の位置を特定するだけで実害が無いからである。
対象もすぐに決められた。
魔力が馬鹿でかくて馴染みやすく、大体どの方角にいるかはっきりしている存在、女王アリスである。
早速アリス狩りを始めた私は、継続的に襲い続ける激痛も忘れて、気が付けば呟きを洩らしていた。
『あのドS婆、いや、じ、女王アリス様が、いない? だと』
何度も西に向けて『追跡』を発動したが、なんと、ハタンガの女王アリス様の気配はどこにも見つけられなかったのである、まるで地上から消え去ってしまったかのように……
ハタンガの主、偉大な守護獣アリスの消失。
俄かには信じられない事態に、私の理解は現実に追い付く事が出来ずにいた。
優に千年を超える間、ハタンガに住む全ての生物の頂点に君臨し、周囲の信頼と忠誠を一身に背負っていた魔獣が消える、その意味する事を慮るには余りにも突然過ぎて、何より全身を襲い続ける激痛を受けながらでは満足に集中する事も難しい。
そうしている間にも、私の体は膨らみ続けている様で、へし折れた四肢の辺りからしちゃいけない臭いが漂い始める段になると、更なる激痛と恐怖の中で私は再び気を失ってしまったのである。
そのままどれ位正気を失していたのか。
気が付くと私は降り注ぐ魔力の雨に包まれていたのである。
『生きている? これは、『再生雨』か? そうか、腹の下の金属板が起動したんだな…… 壊れていなかったのか、はぁ~良かった~』
意識が無い状況でも、体に触れていた金属板は機能出来ていたらしく、森を囲んだ結界の維持だけでなく、毎夕起動していた『再生雨』の時限装置もいつも通りに動き出してくれたらしい。
魔力に因る全ての影響を中和する再生の雨は、私の体にも降り注ぎ、顕著な効果を示し始めていた。
具体的には、潰れた筈の四肢が少しづつ癒され始めているらしく、その辺りから暖かな治癒の力が感じられ同時に痛みも和らいでいる、体のサイズも僅かに縮んでいるみたいである。
『死ぬかと思った…… このまま大人しくしていれば直に動ける様になるだろう、ふぅ~、参ったぜ』
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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