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【2253】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~

2253.アニメ版

 来訪を受けた聖女や聖戦士も数回目にもなるとペジオへの警戒心をすっかり解いた。
 大体それっぽい見た目とありがたい手土産につられ、加えてペジオの無口さが変に善人っぽく感じさせた事も大きかった。

 無口の理由は、前歯が伸びて不正咬合ふせいこうごうが進み過ぎ、口を開く度にヨダレが流れ出て大変不愉快な見た目になるから、だったのだが周囲は勝手に無口=誠実、そう判断してくれたのである。

 信頼(錯覚)を得たと感じたペジオは行動に出た。
 しっかりと前歯を削り不快さを軽減させた彼はカトリーヌに請われて彼女を吸収した件を語って聞かせたのである。
 涎に変えて涙を流し、忸怩じくじから暗澹あんたん、悲哀を経て一転静かな覚悟を決め、最終的には背負った物を守り抜く決意と揺るがなそうな真摯な瞳、大体ここらで聖女達が貰い泣きを始めた様だし、ほとんどの聖戦士も力を貸す約束なんかしてくれたらしい、基本純粋な奴等が多かったからな…… 良くコユキや善悪にも利用されていたしなぁ。

 となれば案の定、高齢や病気なんかで先行きに不安があった幾人かがペジオに申し込んで来始めた。
 基本的には後進の聖女、聖戦士に自分のスキルや経験を受け継がせたい、との物ばかりだったが、ペジオは嫌な顔一つ見せずに彼等の希望を叶え続けていた。

 そして遂に待ちに待った日が訪れた、カトリーヌに次ぐ二度目の依頼、所謂いわゆる、爆炎の支配者発言がもたらされたのである。

「私を、食べて…… あるよ…… 私に掛けられたラー油、拭いてくれたみたいに…… ある……」

 依頼者は中国の聖女、ワン、そしてセリフはアニメ版だった。

「いいよ……」

 当然の如くアニメ版で返すペジオに隙は無い、流石、であるっ!

 王はコユキの時代、アメリカのキャシー、ロシアのナターシャ、そしてインドのサラと並び称された実力者である。
 他の世界各国の聖女が一族や親戚の乙女にスキルを譲る中、王は孤独であった、一人っ子政策が生んだ悲劇の主人公、そんな一面もあったのだ。
 そして王は男性にも女性にもモテなかった……

 時折口にしていた、

「中華思想は嫌い、でも肉炒めなら善い」

とか言う訳が判らない口癖が国家反逆罪に問われそうだったからかも知れない…… きっとそうだ。

 いつだったか周囲の村人から悪し様に罵られつつ熱々のラー油をぶっ掛けられていた事があった。
 偶然その場、ってか軽めの殺人事件の現場に転移したペジオはそれを拭ってやった事があり、それ以来、王から信頼、そしてねとっとした熱い視線を向けられる様になっていたのだ。
 今更だがペジオの狙いは便利なスキルや知識であり、王の希望も又、変質的な欲望を多分に含んでいた、怖っ。

「これからはずっと一緒あるな」

「え? あ、ああ、まあ、そうだな」

「嬉しいあるか?」

「ないよ」

「ないあるか?」

「ないないっ!」

「ないないあるか……」

 シンプルなやり取りの後、ペジオは王と合体、っつーか一方的に取り込んだ。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


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