【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1607.人を呪わば穴二つ
ガトはシュカーラを放り出してレイブの元へ駆け付けると、背を抱くようにして上体を起こすのに手を貸している。
余程心細かったのか、目尻に薄っすらと涙を滲ませてもいた、普通に可憐だ。
「もうっ心配したわよ! もう大丈夫なのよね?」
「お、おう…… 大丈夫そうだけどぉ、うふふふふ、何か可笑しいような? あははは」
駄目だ、治っていないみたいである。
ガトは目を剥いて驚愕しながらもレイブを強く抱きしめながら言う。
「嘘でしょレイブ! 確りして頂戴よっ! 又、呼吸困難で倒れちゃうじゃないっ!」
「あははは、あは、うひょひょひょ、り、『反射』! はぁーあ、ふう…… ガト大丈夫だ、上手く発動できたみたいだぞ」
「あ、『反射』か」
突然ガトの背後から別の笑い声が狂った様にけたたましく響く。
「うきょきょきょきょきょっ! ぜぇぜぇ、ケーケケケケケッ! ケホッ! ウケケケケ!」
すっかり笑いが収まったレイブは笑い声の主、ドルドナを指差しながら言う。
「あいつが原因だったみたいだな」
「え、あっ、そうか……」
「他に具合の良くない奴とかいるか?」
「あ、うん」
レイブに問われたガトは現状を掻い摘んで説明した。
謎の症状にあった全員は『回復』と『治癒』を施した上で休ませている事、順調に回復していそうなギレスラに比べてペトラは見るからに疲労困憊、まるで生気を吸われ続けているみたいである事、ハンペラは何か悪質な病気っぽくて一向に改善が見られない事、さらにシュカーラとキビを数え続けている顔色が悪い男の二人がノイローゼっぽくて気持ち悪い事なんかを一気に話したのである。
「ほーう」
短く答えたレイブは自分に縋りついたままだったガトの腕を優しく掴んで離すと、立ち上がって痩せこけた状態で眠っているペトラの脇に移動し、鼻先に触れながらスキルを発動する。
「『反射』」
「うっ! はぁはぁ~、くうぅっ!」
「なるほどな」
スキルが発動されペトラを紫の光が包み込んだ途端、表情から苦痛の陰が消え去ると同時に頬や鼻の先に僅かに朱が差すのが見て取れた。
そして一拍遅れての苦しそうな呻きは再びガトの背後から、どうやらカーミラが発しているらしい。
そちらを振り返りもしないでハンペラに近付いたレイブは、色鮮やかな斑点が浮き出た彼女の手を握りしめた。
後ろを付いて歩くガトは心配そうな声だ。
「伝染るかもしれないわよ?」
「ん、大丈夫だろ、『反射』、ほれ」
「ああぁぁああぁぁぁぁ~」
『反射』の光がハンペラを包む、刹那、全身に浮き出ていたヤバそうなマダラが消え去り、三度、ヴァンプ娘の方から具合の悪そうな唸りが聞こえた、ブルーカの物だろう。
満足気に頷くレイブの後ろでガトもなにやら得心がいった顔で頷いている。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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