【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1605.幻の正体
自分の中に生じたどうしようも無い疑問はハンペラ達の側面から振るわれた凶悪な爪と殺意に満ちた怒号によって打ち消される。
「ゴルアッーッ! ガアッ! ガルグアラァッ! フシュシュウー、プフウゥッ! 大丈夫かぁ、皆ぁっ!」
「おっ、マッチん!」
「「「「「「里長っ!」」」」」」
「ブフウゥーゥッ!」
里長であるマッチは、鋭い爪と牙を縦横無尽に振り回して周囲のコウモリ共を当たるを幸い薙ぎ倒し続けていた、もう殆ど魔獣か化け物、良くて狂犬病の罹患者にしか見えない位である、OSOで言えば80位はあるだろうか? 凄まじい。
本体が熊とかどうでも良い、兎に角あの振り下ろされる爪とフェイントっぽく繰り出される大口の牙が彼の全てに見えたのだ、うん、殺戮者のそれである。
気が付けば彼の後ろからも兄妹のリボンとタマも狂った様な暴れ方で近付いて居り、更に後ろからはヘラジカっぽい一団が角にコウモリを刺し集めながら笑顔で続いて来るのが見えた。
狂気の殺戮者を率いる爪は驚くほど静かに語り始める。
「どうやらこいつらは坑道から湧いてきた様だ」
「えっ、マ?」
「ああ、マだ! あの中には今レイブ殿達が赴いていた筈…… 何かあったらコトだ! お前等、様子を見て来てくれないか? ブフォオォーッ! 死ね死ね死ねえぃっ!」
「りょっ! 皆っ、バモスっ!」
「「「「「「うぃっ!」」」」」」
赤く煌く爪と角、いいや、正確には目で追え無い程の速度で回転を続けるクマとシカの蛮行の結果、コウモリ達の流した血液で鮮やかな尾を引く裂傷と刺突の曲線を背にしながら、一斉に坑道の入り口に向き直るウータンギャルズ達。
息を飲み見つめる彼女達の視界に思いもしない景色が飛び込んできた。
鮮やかな赤竜が全身をボロボロボッコボッコに欠損させた状態でヨロヨロしながら入り口から歩み出て、パタリとその身を地面に伏せてしまったのである。
「あ、あれってギレスラ? じゃないのん?」
「かっ! や、やられちまったのかっ? びっくみ!」
「コウモリ如きに負けるとは思えぬぞえ? まだ見ぬ敵の正体とは果たしてっ!」
「やぁー何か言ってるっぽいじゃーん、カーイーソー!」
「でもまだピクってんね、生きてんじゃね?」
「アリアリのアリ?」
「でどーすんの? 行くぅ?」
ギャルズそれぞれの分析を聞いたハンペラに既に迷いは無い。
「決まってるっしょ! ギレスラちーん!」
「「「「「「っ! ちーん!」」」」」」
こうしてギレスラの元に駆け付けたウータンギャルズ、その後の顛末は既にお伝えした通りである。
おっと、伝え忘れていたがこの間に獣人達が連れて来ていた農耕用のポニーが十頭コウモリ達の凶牙に掛かって身罷ってしまったらしい、惨たらしい悲劇である…… 南無。
余談ではあるが、彼等の飼い主だったポニー似の老婆は後に言った。
「可哀想だったけどニンゲンに被害が無くて良かったよぉ、あの子達の代わりだったら幾らでもいるからねぇ~」
だそうだ…… 強靱な精神力に脱帽せざるを得ない言葉だ、それ位老婆とペットは似ていたのである、それはもう肉親レベルで。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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