【2009話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2009.ニンゲン
…………ん? 何も起きないな? 何でだ?
『む? 何も起きないのだ? 何故なのだ?』
おおっ、ギレスラと被ったな♪ うふふ、鳥肌~っ!
迎撃システムで蹂躙される事こそ無かった物のこの状態では今一つ釈然としないのも一行の抱いた偽らざる思いだ。
私、観察者的にも納得がいかない、あの因業坊主が単なるこけおどしに興じるとも思えないし、声にも緊張が察せられていた、きっとテイクを重ねてもいたのだろう。
無力な私同様、訳が判らずに長い首を傾げるギレスラである。
一方、ミロブロの獣人コンビはいち早く動きを見せていた。
具体的にはデスサンダースパイクとやらを警戒し身を潜めていたギレスラの後ろからさっさと出て、キトラが取り縋っている鏡面まで進むと周囲を調べ始めたのである。
「どうだブロル、何か見つけられたか?」
「うん、ここにはめられている魔石が空になっているな…… それで発射出来なかったんだろう」
なかなか手際が良い。
更に二人の調査は進む。
「どれ? うん? 確かこれはクルン=ウラフの魔石と同じ……」
「ああ、ムスペル産のホームセンターって奴だな、所謂バッタ品だ」
「それで魔力が抜けちまったのか、にしても……」
サクサクと動作不良の謎を解明していく二人は早くも動力源の不備に辿り着いている。
流石自称ニンゲン、器用で論理的な思考を持ち合わせている様だ、感心しておこう。
この辺の機械的な仕組みの前ではデクノボウなメンバーの中から二人の背に声を掛けたのはギレスラである。
『バッタモンの魔石のお蔭で助かったのだな?』
振り返ったミロブロは深刻な表情を揃えて口々に返す。
「ええ、只、このシステムは酷いですね…… なっていませんよ」
『そうなのか?』
「迎撃システム、つまり防衛機構の動力源が外側にあるとか欠陥以外の何物でもありませんからね」
『は?』
「それに使用していたのが純正品じゃない社外品とか…… あれですよね? 幸福寺って正規品の販売していたんですよね? 確か、ライトシャドー先進材料研究所製の安心魔石、でしたか?」
『うむ、みっちゃんが作った奴だったのだ』
「幾ら良いシステムでも運用する側がいい加減じゃあ、なぁ?」
「全くだ、加えてシステムもテキトーだからな? 外から好きなだけ破壊出来るって何だよ?」
「ポンコツだな」
「役立たずだよ」
なるほど、オタク二人が一所懸命苦心した、所謂、僕が考えた最強の防衛システムは穴だらけだったらしい、まあその迂闊さで無事済んでいるのだけどな、感謝すべきでは?
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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