【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1669.深窓の令嬢
効率良くサクサクと作業的な進捗が続く間、相変わらず長いすに寝そべった少女は俯いてブツブツ熟考、自分の中で犯した罪と向き合っているらしい…… え? コレ今の内に逃げたら駄目なのか?
その後、かなりの時間が経過し、漸く並んでいた民の儀式が最後の一人を迎えた。
力欲しい? ああおくれ! ラストの老婆とお決まりのやり取りを交わしたハスドルバルは、長い事務的な仕事のコリを首をコキコキ鳴らして解しながら、自嘲気味な笑みと共に呟きを洩らす。
「ふっ、これだけ時間を掛ければあの娘、無知ゆえに魔道に迷い込んだ少女も無事逃げ果せた事であろう、これからは僻地にでも隠れ住んで大人しくしていれば良いのだが…… ふふふ、我が君バアル様や親父に叱られねばならんが、まあ、あんな年端もいかぬ少女を永遠の檻に閉じ込める事に比べればなんと言う事は…… え?」
「え? あ、はい?」
「な、何故逃げない……」
「え、だって、また後でって……」
「いや言ったけど……」
「はい?」
あーほら、やっぱりチャンスだったんじゃん…… にしてもハスドルバル自身もその気で背中を向けてくれていたんだな…… ふーん、こいつ多分モテるんだろうな~。
軽く溜息を洩らしながらもモテ男な魔王は気を取り直して任務を遂行だ。
「で、牢獄に収監される覚悟は? 良いんだな?」
「え、やだ……」
――――だったら逃げろよ! こいつおかしいんじゃねーか?
思っても口には出さない、ハスドルバル氏はモテ属性が強いのだ。
小さく山間の領土とは言え、ダキア直系の由緒を誇る家系の娘、令嬢である。
多少ズレていても仕方無い、所謂純粋培養の成果、賜物なのだろう。
そんな風に無理矢理自分を納得させた男前は折衷案を捻り出す。
「虜囚を良しとせぬのならば残される償いの手段は然程多くはないぞ、手っ取り早いのは死ぬ事だがこれも俺が本気を出せば不可能では無いな」
「死っ! 嫌よ、死にたくないわっ!」
ふむ、そして甘やかされ放題のお嬢様、想像通り我が儘でもあると……
あれも嫌これも嫌では交渉も何もあった物では無い、古今東西の違い無く歩み寄りには譲歩が不可欠なのだ。
しかし名門バルカ家の次男にはこんなセルフィッシュさも想定内だったと見える。
「だろうな、とすれば残る手段は一つだけだ! ここの民同様、お前にも悪魔の依り代になって貰う他あるまいな」
「え、民と同じ、って……」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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