【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1279.ブリーフィング
シュカーラはヘビ柄の五本指を開いて振りながら慌てた口調で答える。
「いえいえ、当然生命維持の魔力は持っていますよ、ですが皆さんの様にスキルや魔法を行使出来る程の魔力は無いと言う事です! 無礼を承知で言えば他の里のニンゲンが魔物や化け物に近付いていった中、この里、アイユだけは本来のニンゲンのまま、純粋性を保っていたんです」
「へー、化け物、ね……」
レイブの表情が僅かだがアルゼンチンのインティに戻る、言い方に少しカチンと来たようだ。
確かに誹謗して貶める対象を前にして口にするには甚だデリカシーに欠ける言い草だろう。
前もって礼を失する宣言をしたからといって何もかも許されるほどニンゲン関係は甘くないのだ。
――――何言ってやがんだ爬虫類野郎の癖に! 先割れの赤い舌ペロペロさせやがってお前の方がよっぽど化け物じみてるじゃねーかよ! ピット器官で赤外線が見えるとかそれもうニンゲンじゃねーし、お前自身が恒温動物だって自白済みだったじゃねーか! どうせお前も人の温もりとか判らねー口だろーがっ!
レイブは心中で結構核心を突いた悪態を吐いたが、横で佇んでいるギレスラを慮って言葉にする事は控えた。
どうやら本格的に正気を取り戻してくれたらしい事が窺える、良かった。
仲間へのニンゲンらしい気遣いを見せたレイブは自分の中に生じた軽い暴力衝動を押し殺しながらシュカーラとの会話を続ける。
「じゃあ魔力を使い切った魔石はどうしているんだ? 使い捨てなのか?」
自制心をフルに発揮したこの質問に答えるヘビ面は胸を反り返して偉そうの極みである。
「ふふん、アナタ方、元ニンゲンの知性ではそう思うのも仕方ないのでしょうねー、ですが尊く賢い我等の神、亜神ジロー様とユイ様がそんな無駄を看過する訳が無いのです、先々で氏子である我々が魔石不足によって困窮しない為に、ちゃーんと充填方法を残しておいでなのですよ、いいですか? お二人は賢かったのです!」
言外に愚かさを指摘している様にも取れる言い草に黙り込む一同にシュカーラの饒舌は続く。
「折角の機会ですから少しだけお教えさせて頂きますがね、そもそも『魔石』が何か、お分かりになっていますか?」
教えるつもりか問い質すのか、はたまた自身の知識をひけらかしたいだけなのか? 判断し難い質問に答えるのはレイブである、優しい。
「魔石なら狩ったモンスターの体から出てくるんだよ! 後は長生きしたニンゲン、魔術師からも出ることがあるそうだけど?」
ペトラとギレスラも続く。
『自我を失って狂い死にした魔獣から見つかったって例もあるとか? 聞いたことあるわ』
『ドラゴンになれなかった爬虫類や両生類、魚類にもその手の話は存在するぞ、それに耄碌して鱗が再生できなくなった竜が巨大な魔石に変わってしまった、なんて寓話も語り継がれてはいるが…… まあ、一般的にはモンスターから取れる赤い石、これが多くの者が認識している所だろうな』
「だな」
「で、特段の使い道は無い、今日までずっとそう思われていたんですよね?」
続けざまの言葉に首肯で返すスリーマンセルであった。
即座に言葉を続けたシュカーラの表情は馬鹿を見るものへと変化している。
「はぁーぁ、情け無いですね~、全く、全然、一欠片もご理解が無いとは驚いちゃいますよー」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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