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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第二部 五章 続メダカの王様
814.サニーの試み

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『良しっ! 抜けたぞぉっ!』

 やがて大きな声を合わせた一行は、気が抜けてしまったのかここまで死守してきたギンブナフォーメーションを、誰ともなく瓦解させると、思い思いに休息を取るのであった。

 大きくえらを震わせて呼吸を整えるナッキの横で、口から出てきたサニーも必死に深呼吸をしながら言う。

「やばかったよねナッキ、何とか乗り越えられたけど帰りもあるんだよね? 考えただけで億劫おっくうになるよね」

「確かにね、でもまずはこの先にいるだろうニンゲンとの折衝せっしょうだよ、皆は大丈夫だって言っていたけどさ、やっぱり緊張しちゃうよね?」

「だよね、でも我々ギンブナにとってはそうなっちゃうよね、小さい頃からそう教わってきたんだしさぁ、いつも豪胆なヒットやあの冷静沈着なオーリだって恐れおののいていたじゃない? 仕方ない事だよ、きっと」

 このサニーの言葉を聞いてナッキは出発時の事を思い出しながら言う。

「オーリって言えばさ、意外だったよね? まあ体型を気にする気持ちは理解出来るんだけどね、うふふふ、あのオーリがねぇー、皆のいない所でダンスでしょ? 腰を振り振りだっけ? うふふふ、皆は知っていたみたいだけど僕全然知らなかったからさぁー、うふふふ、面白かったぁー」

 サニーはキョトンとした表情で返す。

「へ? 皆が知っている? ううん、誰も知らなかったと思うよ、だってアタシが言ったんだもん」

「は? サニーどう言う事さっ」

「あのね――――」

 その後サニーから聞いた所によると、メダカ達との一体感を感じた直後、彼女は色々試したらしい事が判った。
 皆が興味が無いだろう内容を話そうとしたが、ナッキ同様やはり駄目だったらしい。

 ナッキはそこで諦めたが、サニーの実験にはまだ先があったようだ。
 言葉で周囲の行動を制御する『蹂躙カリンマ』の力を乗算して使用してみたと言うのだ。

 無論、発声が伴わない状況ではあったが、ナッキの口の外にいた百数十匹のメダカに対して、本気で想念を送ったそうだ。

 曰く、

――――今から言う言葉を支持して! 頼むっ! 頼むぅ!

と言う、一途な思いだったという。

 そうしておいてオーリの食事制限と人知れぬダンスの話をした所、あっさりと言葉にする事が出来たらしい。
 因みに出発時の最後に発した台詞は、格好良いと思って言ったらしい…… ナッキはダサいと思ったが優しいので黙っている事に決めた。

 とは言え、言うべき事だけは伝えて置かなければいけない、そう思ったナッキはいつに無く厳し目の表情を浮かべてサニーに言う。

「サニー、今回の君、いいや僕たちの発言でオーリは酷く傷付いてるかも知れないじゃないかぁ、だから、今回無事に皆の元へ帰れたら、しっかり説明しなくちゃいけないよ? 実験の為に適当なことを言ってしまったってね! その上でちゃんとオーリに謝罪するんだよ? 僕も一緒に謝るからさ! 判ったぁ?」


お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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