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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1095.死と魔境を越えて


 暇人の魔神と大魔王に観察されながら、レイブの話を聞き終えたラマスは言う。

「じゃあダーリン、要はシンディのグログロにやったみたいにこの竜にすれば良いんだよね?」

「ん? グログロ?」

「あのクズリの事よ、シンディが名付けたの」

「あ、ああそうなんだ、グログロって…… でもまあそうなんだよ! グログロを助けた時と同じ様にやってみてくれるかい」

「了解! じゃあこの周りに溢れてる魔力を集めてやってみるね、ス~ハ~ス~ハ~…… むむむむぅっ!」

 気楽な感じで答え深呼吸を始めたラマスには、間を置かず顕著な変化が見て取られたのである。
 具体的には両手のてのひらが先程より一層激しくピンクに輝き、同じくピンク色の不自然極まりないプラズマが、マリマリと強烈な放電を始めたのである。

 髪と瞳をもピンク一色に変じさせたラマスは、両の掌を擦り合わせて何やらタイミングを計っているように見えるが、この間もバチッバチッと忙しないショート音が鳴り響き続けている。

「『自動体外式除細動器エーイーディー』!」

 ドックッン!

 ラマスがスキル名を叫んで手をかざした瞬間、ぐったりとしていた竜の体がけ反る様に大きく痙攣し、見る見る間に全身のそこかしこに生気が漲っていくのが見て取れた。
 弱々しかった呼吸すらも安定した安らかな物へと変わっている様だ。

 この事からかんがみるに、このスキルは判り易いネーミングと違って、単純な電気ショックではなく弱って死に掛けた生き物に生命力自体を送り込む物なのだと類推できる。
 謂わば『蘇生』的な技なのだろう、大したものだ。

「やってみたけどどうかなぁ?」

『う、うーん……』

「おおっ! でかしたぞラマスっ! えーとっ、大丈夫ですか? 聞こえてます?」

 つい今しがたまで死に掛けていた白いズメイ種は、レイブの声に答えて薄っすらと目を開き、まだ弱々しい声で答える。

『ああ大丈夫だ、と思う…… っ? ニンゲン、か? では私は越えられたのだな、魔境ハタンガを……』

 レイブとラマスは互いの顔を見合わせ頷き合った後、ズメイ種に言葉を返す。

「ああ、そうだと思いますよ、ハタンガはここより随分北東に行った所なので」

「ここは魔術師修練所、通称バストロ学院です」

 白い竜は目を大きく開き、横たわったままではあったが声に力を込めて言う。

『バストロ学院、ではここに北の魔術師バストロ殿がいるのだな! 頼む、私を彼の元に連れて行ってくれないか! 私は東の果て、竜王の里でグラム・ランド様に仕えるメルルメノクと言う者…… 竜王様から命を受け、バストロ殿のご一門、鬼王ズィナミ・ヴァーズ殿へのお言葉を伝えに参ったのだ! バストロ殿ならば丁度良い、なにしろ鬼王ズィナミ殿の偏屈さは東まで伝わっているが、バストロ殿が人格者である事も同様に伝え聞いている! むしろここに着いて正解だったよ、頼むバストロ殿の下へ!』

「あー、うん…… ええっとぉ……」

「ダーリンどうするの? 聞こえてるよ、ほら、瞬きもしないでガン見だよ? 偏屈なおばさん、じゃなくて学院長が……」

 なるほど、石化を恐れて立ち止まってこそいるが、身動みじろぎ一つしないでこちらを凝視しているズィナミの肌は赤みを増して、心なしか角の長さも伸びているっぽい。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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