【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1585.ペトラとカーミラ
『えー、そうかなぁ?』
お互いの置かれた境遇や特性で価値観は変わる物だ、そんな当たり前の事に今更ながら気が付いた兄達だが末っ子ぺトラは未だ割り切れないらしい。
元々丸々としている頬をコメカミ辺り、所謂カシラまで膨らませてパンパン、見ようによっては美味しそうにブータレている。
「お、おいペトラ」
『だってこの子達ヴァンパイアはマナナンガルに感謝して一所懸命に働いてるじゃない? それをあっちはあんな馬鹿にした言い方なのよ! 酷いわ、フェアじゃないわよ!』
うん、まあ主旨は判るんだけどね…… それにその惻隠は却って当事者を傷付けたりする場合もあるのだがぁ……
「ま、ま、彼らは夜間の事は知らない訳ですし――――」
『そこよっ! この下半身が毎晩命を救われている事も知らずにヘラヘラしてるのがムカつくのよ! アンタ等も言えば良いじゃないのっ! 何だったら二、三体転ばせてそのまま放り出しときゃ自分達の脆弱さが良く判るわよっ! ねっ、そうしなさい、放置よ放置っ!』
だからそれやったら死ぬんだって言ってたじゃん、ペトラよ…… それに他所の事情だろうに。
アチャー、そんな感じで言葉を捜している途中のレイブとギレスラ。
次の言葉はぺトラの近くから発せられた、具体的には鼻の先、ぴったり至近距離からである。
「まあ、ぺトラ様ったら私達を心配して下さっているのですね、嬉しいですわ、うふふふふ」
カーミラだ。
『え、ま、まあね、い、言って置くけどアンタ等の態度にだって頭に来てるんだからね! 好きなように言われて言いなりになってるんじゃ無いわよ!』
「うふふふ、そうですわね、ごめんなさい、うふふふ」
内容が判っていないのか、カーミラは怪しさマックスの微笑を浮かべながらぺトラの鼻先や口元、牙の辺りを擦ったりしている、どことなく恍惚とした表情も会話の中身と相容れない。
『ちょ、アンタ、何勝手に触ってんの、よ…… う、ウワーン、お兄ちゃーん!』
過剰なソフトタッチが気持ち悪かったのだろう、ぺトラはレイブとギレスラの後ろに隠れてしまった、怒りも冷めた、と言うより恐怖や気色悪さが上回ったのではないだろうか。
「おいおいペトラ、女同士なんだから大騒ぎするなよ」
『いやっ、何か凄くいやっ! アイツ近付けないでっ! お願い!』
『おいおい、失礼であろ?』
『いやーっ!』
「あら嫌われてしまいましたの、私ペトラ様とお友達になりたかっただけですのに…… うふふふ、お友達ですわ、お友達、うふふふふふ」
『いやよっ! 絶対いやーっ!』
何が気に入らなかったのかペトラはカーミラの友情を袖にしてしまった。
残念そうに俯くカーミラはまだ未練がましくペトラを目で追っているのに、可哀想じゃないか、ほら意味有り気に唇に舌を這わせたりもしている、健気じゃん。
取り敢えず怒っていたぺトラが然したる理由もなくカーミラにビビったお蔭でお説教は一旦の終りを告げる事が出来た。
まあ、ポッと現れた他人がどうこう言った所で、長く続けて来た習慣や仲間同士の情、みたいな物を簡単に変えたり出来ないのは世の常なのだ、仕方無い仕儀だと言えるだろう…… ペトラ、ナイスチャレンジ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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