【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1327.急転直下
そんな思いやりと親切に満ちた世界で私は塗炭の日々を送らされた。
来る日も来る日も、繰り返される訓練の地獄に終りは見出せず、何度も逃げ出しては例の双子に連れ戻される、そして罰の名を冠した更なるしごきと可愛がり……
気が付くと季節は百回以上も巡り、私は百十四歳になっていたのだ、本当は三百歳以上だけど。
そして届けられた大ニュースの報せは私の生涯を一変させる事となる。
クルン=ウラフの森王がいよいよヤバイ、的な話を聞いた私は思った物だ、結構頑張ったなぁ、と。
百年以上前に、自ら立候補した『森王』のポストは、その頃の私にとって然程興味を引く物ではなくなっていたのだ。
それはそうだろう。
アリス様やヴノの偉大さは遥か彼方だと思い知らされ、戦闘力ではパリーグや彼女の弟弟子にさえ大きく水を開けられたまま、カゲトとクロトの両師匠も未だ健在だったのだ。
私の如き無能な豚猪はお呼びでない、そう思っていたのである。
しかし、アリス様が次の『森王』に選んだのは私だった。
第一候補だったパリーグは、結界系のスキルが使えない事に加えて自ら辞退を申し出たらしい。
理由は、竜王の里に住む別れた旦那に預けたままの息子を引き取りたいとか何とか言う事と、例のグフトマの弟子? だったかな? そいつの獣奴になりたいとか何とかもあった気がする。
クロカゲの二匹は重責を嫌って逐電した。
索敵能力に加えて穏形の粋を極めた師匠たちを探し出す事は、流石のアリス様でも不可能な事である。
こうした消去法のお蔭で、私は次代の森王に就任する為に、三度、暮らし慣れた場所を去る事になったのである。
旅立ちに際してアリス様は見送りと手向けの言葉をくれた。
『ダダ坊、貴方なら立派に『森王』の務めを果たせる事でしょう、期待していますよ』
私は答えた。
『ありがとうございまっす! ご期待に沿えるよう頑張りまっす!』
と。
無論、心中では『けっ! 第四候補だったくせに良く言うぜ』と思いながらだ。
その後も腹の中で思い付く限りの悪態と罵詈雑言、呪いの言葉を繰り返したが、長年師匠達に鍛えられたスキル『中古車販売員』を発動していたお蔭でアリス様に悟られる事は無かった、良かった♪
こうして旅立った私は足取り軽く、極東ニンゲン達が暮らす森へ向けて進んだのである。
供は、頭の上の兎、ピョン壁の聖王ペジオだけであった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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