【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1694.錫製の心
数年後、元ダキアの発祥の地、ボレイビスタスの里の荒地をヨチヨチ歩く小さな錫人形の姿があった。
わざわざ言うまでも無くカーミラである、彼女は克服しやり遂げたのである。
ご機嫌そのものな彼女は日夜を問わずガチモンの不眠不休で荒れ果てた里の片付け…… 復興作業に邁進していたのである。
まあ眠る必要も無いし他にやる事が無かった事が主因だったのでは無かろうか、きっとそうだ、つまり暇だったのだ。
しかし、多少の機動力を得たとは言えだ、そこはそれ所詮はちっぽけな錫製の埴輪が成せる事には、当然ながら限界がある、大体はサイズ的な事に起因して、だ。
小ぶりなゴミや埃ならば兎も角、自分より大きな瓦礫や倒木、形の良い犬のご遺体なんかであっても移動不可能な現状に、ボレイビスタスの里は荒れ果てたままで変に綺麗な混沌の地へと変貌していたのである。
その日も一日中、円形の祭壇、バアル曰くルキフェルの玉座で、カーミラ自身がこんな姿に変わる原因となった忌まわしき場所をせっせと磨き上げていた彼女は、吹っ飛ばされて脇に追いやられた長いす(ひっくり返ったまま)の脚の一つに腰を下ろすと、黄昏に顔を見せ始めた何十回目かの満月を見上げて思うのであった。
――――ふぅ、今日も一日、良く働いたわね…… まあ、自分としては精一杯だけど、そこらの人間や獣でも簡単に台無しに出来るレベルの掃除しかやっていないのだけれども、ね…… あー不毛だわぁー、せめてこの椅子だけでも元通り起こせればねぇー…… 脚の部分に腰掛けても全然座った感じがしないのよねぇー
そりゃそうだろうな、ってかその状態だったら只の天を指す棒だからな、それ。
一本の脚にポツンと腰を下ろす、いつも通りの姿勢でいつも通りに見つめる月は、やっぱりいつも通りに美しかった。
――――今宵もお月様は綺麗だわっ! まるであの時アタクシを拾い上げて動ける様にしてくれた、あの美しいお嬢様と見紛うばかりですわねっ! いいえ…… いえいえっ、お優しく慈しみに溢れたあの方に比すればこの月の輝きすら雲って見えようと言うものですわっ! ああ、愛しい月光の御方、貴女は今何処に…… にしても、気になりますわ…… あの時、あの方は一体何と仰っていたのかしら?
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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