【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1339.殺意
次に目が覚めたのは、前日同様『再生雨』の発動時刻、翌夕の事となる。
それからの日々は単調に過ぎていった。
とは言っても平々凡々とした暢気な日常ではなく、阿鼻叫喚、痛みと戦いながらの悪戦苦闘の繰り返しだ。
前日に受けた致命的な脚部の損傷は、翌日の再生で強制的にぎりぎりレベルに回復させられ、体の拡縮が収まったほんの一瞬の間にスキルの『回復』を試みては間に合わず、脚が砕け散る音を聞きながら気が遠くなる。
延々と繰り返される生き地獄の中で、私は様々な事柄を考える機会を得た。
毎日『再生雨』で目が覚めてから再び死に掛けるまでのしばしの間、非常に短い思索を重ねたのである。
最初は解決策の模索から始めたが、これは一向に進まなかった為、早々に切り替えざるを得なかった。
理由は簡単だ。
まず『回復』を間に合わせる為の施策だが、色々考えて何度も試した結果、『再生雨』の停止と魔力のキックバックの間には一切タイムラグが存在しない事が判明してしまったのが大きかった。
どんなに急ごうとも間に合う筈が無い、不可能だ。
次に手持ちのスキルを改良しようかと考察したが、そもそも理屈に詳しくないのでこれも駄目。
更に痛みを軽減させようだとか、肢じゃない部分を下にして破壊を回避しようだとか試してみたがどれもこれももれなく失敗に終わってしまった。
背中を下にして試した翌日は、脊椎に損傷を追ったせいか再生が遅れたらしく、思索時間が大幅に削られてしまい、目覚めた直後に死に掛けたりしたので、それきりでやめた。
万策尽きて方向性を変えるまでに季節が一度巡った。
次に私が取り組んだのは、他者の力を借りる事、つまり救援を呼ぶ事であった。
里人の極東ニンゲン達は来るなと言って以来、神殿に寄り付こうともしない。
他者の素直さを心底憎む事がある、そんな自分の隠された一面に気付けただけだった。
無論、それだけで諦められる状況ではない、私は試行錯誤を繰り返した。
出来る限りの大声で助けを呼んだり、僅かな時間内でなるべく目立つ為に唯一自由に動く口に含んだ周囲の土を空に向かって噴出してみたりもしてみた。
だが、静かに降りしきる『再生雨』には遮音効果でもあったのか、誰一人返事を返す事も無く、里人達は『再生雨』の間中祈りを続けている為に気が付かれる事も無かったのだ。
私は里人たちの真面目さと実直さに明確な殺意を覚えた。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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