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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1470.アナラシス


 何度かの会話で少し恐怖が薄らいだレイブがおずおずと聞く。

「グソインさん、ですか? その方はどーゆー?」

「ん? シノセファリの王で私の副官の一柱だった悪魔だよ、コボルトの長でねー、君たち流に言えばコバルトのリーダーさ」

「へ、へー、コバルトですか、その方がいれば何か判る、と? そうなんです?」

 この言葉にもシド青年は屈託の一つも感じさせない笑顔で答えてくれる。

「ああ、グソインには対象のスペックを看破するスキルがあってねー、『鑑定』ってスキルなんだけどさー、それが使えればコイン吸収後に君達に起こった事も判ったんじゃないかなって思ってさー」

 ピクッ

 聞いていたメンバーの中で最近聴覚が鋭敏になった事を自慢していた狼似のブロルが大きな耳を引きつかせながら発言する、黒い豚猪、ペトラに対してだ。

「あの、それってぇ」

『た、多分、そうね』

 シドはキョトンとしながら聞く。

「何だい?」

『アタシ使えるんです、その、『鑑定』ってスキル』

 無言のままで剥き出された大きな青い眼球が一層キラキラと輝いて、シド青年の驚きの大きさに比例しているかに見えた。
 あからさまな驚愕の視線を避ける様にぺトラは説明を続ける。

『とは言っても普段はお水や食べ物が腐っていないかどうか、後はアスタさんがくれた魔石への魔力出し入れ位にしか使ってないんですよね、生き物か、えっと』

 そこで周囲を見回してから狼顔のブロルに視線を止めてスキル名を口にする。

『『鑑定アナラシス』、あ、なるほど、名前が『ブロル』、スキルは『噛み付き』、種族は『デミヒューマン』で、職業は『狩人』ね、ここまでは頭の中に言葉で浮かんで来たけど他には何か文字? みたいな変な羅列と数字が見えるけど読めないわね…… ガトちゃんなら読めるのかしら』

 ガトの名を聞いた途端、シドが正気を取り戻した。
 恐らく中身がライバルだったアガリアレプトの加護とかのお蔭だと思われる。

「私も大概の文字なら読めるよ、どんな字なんだい?」

『ええっとね、まずこんな形で数字でしょ、次はこれ、で数字、その次は結構複雑なんだけどぉ――――』

「ふむふむ、大体でいいから描いてみて」

 ぺトラは虚空を眺めては足元の地面に文字らしい形を蹄で写し、横から覗き込んだシドは盛んに頷いては先を促していく。

「これはレベルって読むんだ、意味は段階とか水準って事だね」

『へーLIBELLAじゃなくてこう書くんだー』

「そっちはラテン語、こっちは日本語のカタカナだね、で、次が力、防御力、敏捷性、最後がMAP、多分MAポイント、つまり魔力量かなー?」

『なるほどね、じゃあブロルの鑑定結果は、名前がブロルでスキルは噛むだけ、自称はニンゲンだけど本当はデミヒューマンで仕事は不安定な狩りでしょ、それでレベルが16/16で打ち止め、力が26で防御力は22、敏捷はちょっと高くて38で魔力量はわずか14って事になる訳か…… これって強いのかしら?』

「どうなんだろうねー、グソインの『鑑定』では数段階のランクとかで分かれていたんだけどねー、こっちは数字でやけに細かく分類されてるみたいだねー、誰か日本語が判る悪魔が自力で編み出したりしたのかもしれないねー」

『へー』

 ああ、それ数千年前に虫と鳥、それにギンブナやメダカ共が偶然身に着けた奴だな。
 コボルトのグソインはシンプルにランク付けだったらしい、AランクとかGランクとかだったのだろうか、SSランクとか?

 それにしてもブロルは弱い。
 弱すぎると言っても良いだろう。
 何しろ当時のナガチカ(一応聖戦士)と比べても見劣りする数値しかないのだ。
 確かうらぶれた中年親父に成り果てていた筈だったよな? やはりブロルが特別弱い個体なのだろう。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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