【2265】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2265.マニアック
更にラマスが驚いた部分についてもご説明しなければなるまい。
ヤツメウナギだった筈の珊瑚ちゃんと露草君は少し、目が増えていたのだ。
本来のちゃんとしたヤツメウナギの目は二つだけ、大概の脊椎動物と同じである。
ヤツメと表現される理由は左右の眼球の後ろに一列に並んだ七つの穴、これが目に見える故に因る。
当然だがこれ等は目では無い、かと言って単なる紋様でも無く、所謂、鰓、エラなのである。
まあ、ウナギだろ? 魚類なら鰓位あるんじゃね?
うーん、確かにそう思われるだろうが、こいつ等、ヤツメウナギとヌタウナギはちょっと違うんだよね。
ん? 何がだよ?
実はこの二種、ウナギとは名ばかり、なんだよね。
えっ、そうなの?
うん全然違う、似ているのは見た目が細長いとかだけで、実は骨格や何から全くの別物、ってか、いと原始的だったりするのである。
原始的? って事はもしかして?
そうっ、遥か昔からその形態を維持し続けている生ける遺物、ってか脊椎動物の遠祖であったり? なのである。
こんなニョロニョロが? 俺達の先祖ぉっ? ま、マジでぇっ?
うん、先祖! 詳しい話は専門家に任せるとしようよ?
専門家?
ええ、ほら、専門家のぺトラがあんぐりしているラマスに説明してくれるみたいですよ♪
お、おう……
『確かに色目は珊瑚と露草と同じだけど…… ざっと見た感じ、目は全身に百以上あるわね、反して鰓、呼吸器の類は見当たらないと来ているわ…… でも、骸軟骨が無さそうなフラットでストレートな顔面からは円口類独特の特徴が散見される…… って事は円口類のもう一つの特徴、聴覚が著しく低い事が推測出来るわね…… うんっ、恐らくだけど、全身にある眼球は聴覚の不足を補う為に視覚とその処理器官が発達し過ぎた結果なんじゃないかと思うわっ! つまり、ランプリーだと思っていた二匹は依り代を経験した事によって独自の進化を果たした、って事ね!』
だ、そうだ。
「え、ああ、そ、そうなんだ?」
ラマスの理解は追い付けていない様だ、嘆かわしい。
話している間に顔、ってか巨大なヒル状の口をこちらに伸ばしたピンクの方、珊瑚ちゃんは両手を広げて出迎えるミロブロをスルーして寝起きでボーっとしているギレスラの所に擦り寄って来ている。
そう言えば、共に旅をしている時はスリーマンセルだけが甲斐甲斐しくお世話を担っていた筈だ、それをも覚えているらしい…… 知性の発露をも感じられる事じゃないかっ! 大発見だっ!
『おっ珊瑚なのだ、暫らく見ない間に大きくなったのだなぁ~、ヨシヨシなのだ♪』
何気に大物ぶりが伺える、流石はニーズヘッグ最後の生き残りだな。
ペトラも大物ぶり、ってか専門分野の見せ場を逃さない。
『当時から巨体だったからてっきり成体のランプリーだと思っていた、でもそれは早計だったみたいね…… 今の大きさから推し量ればあの頃はまだ幼体、つまりヤツメウナギ的に言えばアンモシーテスだったんじゃないかしら? ねっ! ガトちゃん?』
「え? アンモ? さ、さあ? そうなのかな?」
『うんっ、きっとそうだったのよ! ……そうかっ! アンモシーテスは成長の過程で降海する種も散見されるわよね? 海でレイブお兄ちゃんが会ったって事は珊瑚や露草は降海型、つまりスナヤツメよりもカワヤツメに似ているって事になるんじゃない! 間違いなくアリナレスナヤツメとは一線を画しているわっ! あっちは消化管が脆弱だから――――』
うん、マニアの話だな、割愛しよう。 ※詳しくお知りになりたい方はご自分でお調べ下さい
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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