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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第二部 五章 続メダカの王様
778.ヘロン王(挿絵あり)

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 二匹が笑い合っていると、先程飛び立ったダイサギが中洲に降り立ち、近付きながら言った。

「メダカ王、待たせた、鳥の王、御出座し」

 どうやら首尾良く『鳥の王』を連れてきてくれたらしい。
 どこだろう、そんな思いで水面から顔を出して、キョロキョロと回りを見回してみたナッキとサニーの周辺が、突然薄暗く変わった。

 不意に射した影は徐々に大きく転じて行き、あっと言う間に中洲のほとんどを夜の様に変えてしまうのであった。

 ブワサッ! バサバサァッ!

 明らかにサイズ感がおかしい鳥が中洲に降り立ち、全ての水鳥がこうべを下げて平伏へいふくしている。

 巨大なナッキの全長と比べても数倍は有ろうかと言うその鳥は、青み掛かった灰色の背に白い腹、漆黒の鋭いくちばしを持ち、両の瞳は燃えるような赤である。
 後肢こうしは鮮やかな黄色で、所々に見える肌色は薄っすらとした水色をしているらしく、何と言うか…… ガチャガチャした印象を受ける。

「待たせたな『美しヶ池』とやらの『メダカの王様』、余がこの川周辺の鳥を率いるヘロンである、何やら頼みがあるとか? 聞き入れるかどうかは内容によるが、申してみよ、一体何を望む?」

 カラフルな巨鳥は流暢に言った。
 ナッキは明快に答える。

「はじめましてヘロン王、僕はナッキ、『メダカの王様』です! 森の中のカメの長老に聞いてお願いに来たんだ! 僕の池にトンボ達が死の種を蒔いたんだよ! このままでは池は死に絶える…… どうかトンボを説得して虐殺を止めて欲しいんです! お願いします! どうかどうか――――」

 目がチカチカする大きな鳥、ヘロンは言葉を被せてくる。

「カメの長老? と言うとキトラの爺さんだな? んーと、ナッキ王よ、お前の池って若しかして『ペジオの池』、だったりするのか?」

 ナッキは一所懸命に思い出しながら答える。

「うん、確かに長老はペジオの池って言っていたけどね、僕たちは『美しヶ池』って呼んでるんだ! ギンブナとメダカ、カエルとモロコとウグイ、色んな種族が助け合って暮らす僕たちの王国さ!」

「ふむ……」

 独特の色彩センスでその身を飾ったヘロン王は、少しの間、瞑目めいもくしてから真っ直ぐにナッキを見つめて言う。

「よかろう! トンボを説得する役、請け負おうではないか!」

 ナッキは喜色満面だ。

「ほ、本当に! やった、これで助かるぞぉ!」

「やったねナッキィ!」

 巨大なヘロンは真紅の目を更に真っ赤に血走らせながら叫ぶ。

「無論本当だとも! 我ヘロン、かつて、鳥の神ストラスの器にしてハタンガの鳥の王は『メダカの王様』ナッキ王の依頼に応えてトンボの説得に当たろう! 彼奴等きやつらが聞き入れなければ一戦も辞せず! 後は我々鳥族にお任せあれぃ!」

「うわぁ、ありがとうヘロン王! 本当になんてお礼を言っていいかぁ――――」

「ただし、我が願いを一つ叶えてくれるのなら! と言う条件付でだがな」

 なるほど、タダではないらしい…… そりゃそうか、そんなうまい話なんて中々無いだろうしな。
 ナッキも同じ様に感じているようだ、おずおずと言った感じで聞くのであった。

「願い…… それってぇ、どーいうー?」

 ヘロンは硬い筈の嘴の根元をニヤリと持ち上げて答える。

「なに簡単な事だよ、我と我の眷属、水鳥たちを『美しヶ池』の仲間に加えてくれ! 今後はそなたに従う、忠誠を受け入れてくれ、『メダカの王様』ナッキ王よ!」

「へ?」

 ヘロンの願いは王国入りだった。
 急転直下、想像していなかった言葉にコクコクと頷きを返すナッキ。
 兎に角、ナッキに家来、空飛ぶ子分が増えたようである。


お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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