【1970話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1970.礎
江戸、幕末、維新後辺りのご都合主義ではなく、直線状の時間内に生きる者の処世術(基本)を垣間見たレイブは言葉を続ける。
「そーゆー訳だからさ、まあ精一杯頑張ってくるよ、なるべく早く帰ってくるからさ」
ギレスラはまだ心配そうな顔で返す。
『判ったのだが…… 狭い所を通って一体どこに行くのだ?』
「日本って所だ、ダダ坊が言ってた極東、伝説の故郷って場所らしい、爺さんもそこから来たんだそうだ」
『伝説の…… 大丈夫なのか、な?』
フラグにしか聞こえないし、恐らくフラグそのものだろう、ギレスラには死地に飛び込まんとするレイブが馬鹿に見えていた。
馬鹿は何故かへらへらした笑顔を浮かべて答える。
「大丈夫だろ? 何でも昔バアルが張った結界で外界とは遮断されているらしいからな、こっちみたいに魔力が溢れてるなんて事は無いだろ? まあ、様子を見てヤバそうだったら逃げて来るしさ、それにお前等を残してこの俺が簡単に死ぬ訳無いじゃんか! だろ?」
ギレスラは思った、コイツ絶対判って言ってるだろ、自殺か? と……
ほぼ同じ事を思った私、観察者は更に思う、取り敢えず脇役、そうレオニードかパダンパ、ミロブロ辺りに行かせてみれば良いのに、と…… 多分、高確率で死ぬだろうけど。
なんと声を掛けるべきか、黙り込むギレスラにレイブの言葉は続く。
「まあ待っている間に考えて置けよ、過去や生まれ、そこに固執するより自分の未来を作る為に今を如何に生きるか、って事をさっ! 過去の実績や先祖の名誉みたいな物は、まあ、自分を支える矜持? 礎みたいな感じで良いんじゃないかな?」
この言葉は随分判り易かったのか、ギレスラは顔を上げて答える。
『そうかっ、ニーズヘッグの誇りを己を支える礎に、か…… うむ、判ったのだ! しかし、充分に注意するのだぞ? レイブ、いやシットリクだったな』
「え、何故、その忌まわしい名前を……」
『我はニーズヘッグ、聴覚も他の竜種より優れているのだ♪ うん、これも礎だな! であろ? ウン○洩らし♪』
ガンッ!
言い終えた瞬間、頭部に激しく強烈な衝撃を受けたギレスラは薄れ行く意識の中でレイブの物らしい声を聞いた。
酷く冷たく抑揚の無い声は酷薄そのものに感じられた、曰く、
「未来を棒に振りたく無けりゃその名前は忘れておけ…… 次は、殺すからな……」
そしてギレスラは意識を手放したのである。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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