【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1248.辿り着けば……
組み合わした両手、キラキラとした瞳、頬の毛皮を濡らす滂沱の涙、それらから逃げる様に更に明後日の彼方まで目を逸らし捲ったレイブは、自分のすぐ後ろを歩くペトラに対象を変えて声を発する。
「全ての魔獣にスキルを写した、って事はお前の『回復』もそうなのかな? ペトラ?」
ペトラは自分の巻き角にステナをぶら提げながら答える。
どうやらゲッコーの吸着力は大きく湾曲した角にも有効らしい、覚えておこう。
『あーそうね! アタシは『回復』が得意だけど『結界』は気休め程度しか使えないのよぉ、それでアタシじゃなくてダソス・ダロスが選ばれたんだけどねぇ~、まあ、魔獣の間では名誉な事だと言われてはいるわね、『森王』の称号は『獣王』や『鬼王』と同じくらいかしら?』
「ん? ペトラも候補? だったのか? あれだろ、ダソス・ダロスってヴノの爺さんと同じ位かもっと年寄りの豚猪だろ?」
ペトラが慌て捲りを隠そうともしないでいつもより二、三オクターブ高い声で答える。
『あっ、アタシじゃなくてっ、えっとー、そうそうっ! ハタンガのアリス様がそう言っていたって聞いた事が有ったような無いような? やだアタシったら言い間違えちゃったわーっ! あ、あはははは、アハハ』
怪しさMAXの様子にもレイブは怪訝な顔一つ浮かべずいつも通りの風情である、鈍いな全く……
「ほーん、『森王』ね…… でも『獣王』ってゆーとキャス・パリーグ姉さんの事だよな? で『鬼王』がババア、ズィナミだろ? そう考えるとそんなに偉くは感じないよな、なはは」
あっ、馬鹿っ! 狂信者の前でその発言はぁーっ!
「ええ、『森王』様は尊いジロー様ユイ様の代理に過ぎませんからね」
「お二人の代わりにスキルを発動させているだけ、言わば動力源ですから特段偉くは有りませんよ」
『えっ!』
「やっぱりそうか、じゃあ挨拶も緊張しないで出来そうじゃないか、良かった良かった♪」
…………意外にも、『森王』自体へのリスペクトはそれほど高くないらしい、と言うよりはっきりと低い、何と無くモバイルバッテリーとか乾電池みたいな扱いな感じがする。
ペトラがビックリした表情を浮かべていたのが印象的だったが、レイブ同様気楽な感じのまま歩き続ける獣人たち……
暫らくして、木々の隙間から森の中に柵で囲まれた集落が見えてくると、ミロンは更に気楽さを強めた言葉を発したのである。
「さあ、我々の里に着きましたよ、ここが獣人の国クルン=ウラフの森です、ようこそ我がアイユの里へ」
当初の目的地、キャス・パリーグに指定された最初の訪問予定地、森王の本拠に無事辿り着いていたらしかった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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