【1882話】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1882.温度差
レオニードの走り方が丁寧だったのか、熟睡していたらしいレイブが目やに塗れの両目を擦りながら返事を口にする。
「サンキューコーチマン、あっ、レオニードの兄貴か…… おおっ! なるほどすぐそこじゃんっ! んじゃあ行くか! ギレスラ、ペトラ! 出発しようぜっ!」
『おう、いざ出陣なのだ』
『んじゃ皆! レオ兄さんに縛り付けた荷物っ! アタシに乗せ換えて頂戴っ!』
「「ははっ!」」
さっさとシェイプシフトで獣人に戻って動き始め、手際良く荷物を積み替え始めるミロンとブロル、なすがままの父親を横目で見ながらパダンパは少し心配そうな声音である。
『本当に叔父さん達だけで行くんすか? 竜王様って結構恐いんすよ! 俺付いて行きますってぇ! ほら、俺だったら親父と違ってまだ追放されたりしていないっすからぁ!』
俯くレオニードの気持ちは無視しても良いらしい、仕方ないな、だって事実だから。
リストラされたタイガーから載せ換えられる荷物を縛って貰いながらペトラが答える、無論息子の方、まだクビになっていない方にである。
『大丈夫よ、アンタだってここんとこ勝手な事してるんだから怒られちゃうかも知れないじゃない?』
『え、でも――――』
『心配要らん、ここからは我々の仕事なのだ』
『仕事? っすか?』
パダンパのハテナ顔に答えるレイブは一張羅の黒いローブをパタパタやって旅の埃を落としながらである。
「仕事は仕事、魔術師の仕事だよ、役立たずとか言われてるけどさ、俺達って魔術師なんだぞ? まだ」
なるほど。
『あーそっすねー』
実の所あまり心配していなかったらしいパダンパはあっさり納得した。
どう見てもオーヴァーウェイト過ぎだった負荷物を外されたレオニードは、休む間も無く歩み寄って小声でアドヴァイスだ、こっちは本気で心配している様だ、私の中の好感度が少し上がった。
『出陣前でいきりたっているからね? 様子を窺って機嫌良さそうなタイミングを狙った方が良いから! 只でさえ話の通じる四天王が不在なんだから! 判るよね?』
レイブはローブを着込み髪の毛なんか撫で付けながら適当丸出しで答える。
「あーそうだなー」
『竜王様、グラム・ランドならまだ話は通じる筈だよ、だけど…… 黒竜のヘイロン、アペブには何を言っても無駄だからね? どんな道理も通用しない、奴の目を見たら誰でも言いなりになってしまうんだからっ! かく言う私もアイツの心無い事実無根の言葉で追放にぃ…… くぅっ!』
「あ、うん、そー言やメルルメノクもさっ、んな事言ってたよーな? まっ、了ー解っ! 心配ありがとな、レオニードの兄貴♪」
『本当に判ってる? 死ぬよ、マジで……』
「大丈夫だって! ちゃちゃっと行ってぱぱっと済ませて来るからさっ! 先に坑道に戻ってクルン=ウラフの奴等と待っていてくれよ! 仕事が済んだら合流すっからさっ!」
『え、まあ、うん……』
レオニードが言いたい事は良く判る、事情通として赤心からの言葉なのだろう。
対してレイブは真逆な反応だ、そもそも聞いているのかどうかも怪しいレベルである。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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