【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1734.ワクワクの国とソロモンの指輪
イラついていたベレトも嫌味に動じないカイムに匙を投げたのか、渋々ではあるが話の先を促す。
「二十年後だな、で? どこで何をするのだ」
「暴れるポロよ♪ 東の果てでね」
「東、チャイナか?」
「ううん、もっと東、ジパングだよポロッポー!」
「東方見聞録のか?」
「そうそう」
「むぅ、ワクワクの国か」
「だね~」
ワクワクの国はアラブ諸国で言う所の倭国、つまり日本を指す、所謂黄金の国伝説、まんまワクワクの事である。 ※アラブでの発音的にはワクワークのが近いです
オーディエンスの皆さんの時代、アラブ諸国で日本アニメが大流行した一因には、ここらの言葉の重複も考えられるとか無いとか言われている事は割と知られていた筈だ。
「大体五百年後、そこで我々は念願の主、遂に所有者に出会えるポロッポー♪」
「おおっ!」
「マジか……」
「これも炎の中で聞いたから百パーポロっ! って事で、私は行くね、又二十年後、この場所で」
「うむ、息災でな」
「楽しみにしておるぞ、お前も励めよ」
「ポッポローポロロン!」
ボンッ! パタパタパタ……
あっさりとした別れの挨拶、次の瞬間に黄金の煙と化したカイムは鳩に変化し西を目指して飛び立って行った、多分プロテスタントの産声をあげる為の問答でもしに向かったのだと思われる。
屋根の上に残された二柱、ゼパルとベレトは遠ざかる鳩の下手っぴな飛翔を見送りながら言葉を交わす。
まずはベレト、過分に呆れが含まれている。
「不思議な奴だカイム…… 全くっ、怒りすら容易く受け流しおる」
「そーゆー奴です」
「ゼパル、カイムとは一体何者なのだ、お前なら知っているのではないか?」
「え、ええ、まあ少しなら、ですが……」
言い掛けて黙り込んだゼパルの顔をジッと見つめたままのベレト、どうやら何か聞き出すまでは納得しない様だ、そう観念したのかゼパルは再び口を開く。
「ご存知の通り私は元々一振りの剣でした、憶えておいでで?」
「うむ名剣と名高いフルンティングに宿りし精霊であろう、かく言う我も又、堕天後暫くは魔剣にアートマンをやつしていた言わば同族だ、当時は人間共からダーインスレイブ等と呼ばれていたが…… それが?」
「カイムのアートマンも我等同様、神器と呼ばれる無機物だと聞いた事があります」
「ふむ、珍しい話では無いな、剣か盾、はたまた鎧か…… そもそもお前やカイムが我と出会ったのもソロモンめの指輪に囚われていた時だったからな、あの折は不愉快に満ちた時間を過ごしたが…… で、カイムの前身は何だったのだ?」
「…………はい、そのゼバオト、らしいです」
「は? ゼバオト…… ソロモンの指輪、か?」
「はい」
ガタッ!
驚き過ぎたのか猫のベレトは足元を踏み外し、危うく落下しそうになりながらも何とか堪えて言葉を続ける。
「ば、馬鹿な…… 七十二柱の悪魔を封じ意のままに操る魔性の指輪が、あのカイム、だと? 我々だけでなくあの化け物の中の化け物、アスタロトですら囚われておったのだぞ? それこそ奴、カイム自身も同じく捕らえられていたでは無いかっ!」
ゼパルは淡々とした口調を変えずに返す。
「ええ、その折にゼバオトを逆に憑り込んだそうです」
「嘘だろ……」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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